「藤沢の我が家」と「札幌の我が家」を行ったり来たりする「2拠点生活」を始めたころ、「備忘録」として、あれこれ記録しておきました。
今回も同様に、母の老人ホーム探しの備忘録を、何回か書いておこうと思います。
最初のお題は「藤沢市内に、ワタシが望む施設はなかった…」
「要支援1」で、古い公団賃貸一人暮らしの母
→自宅で倒れているところを発見されて救急搬送→入院
→ケアしてもらったら、むしろ、健康状態は改善
→ただし、自力では歩けないのでリハビリ
→「要介護2」に区分変更で、老健へ
さて、その後どうしましょう、となったとき。
客観的には、介護保険適用・非適用のサービスを使いまくれば、もとの住居で一人暮らしは可能。
ただしその場合は、子どもたちの負担は大幅に増えることが予想された。
それまでより頻繁に様子を見に行かなくてはいかんだろうし。
「しょっちゅう、救急搬送で呼び出される」という事態も考えられた。
一方で。
入院→老健の過程で、「誰かが老親の面倒を見てくれているって、こんなにラクなんだ!」と気づいてしまったワタシ。
ああ、ごめんなさい、ワタシはもう元には戻れません
お金は出しますから、もう勘弁してください。
というわけで、母と周囲に説明して、「老人ホーム的なところ」に行ってもらうことにした。
「要介護2」なので、「要介護3以上」がエントリー要件である特別養護老人ホーム(特養)には入れない。
まあ、仮にギリギリ要介護3で特養に入れたとしても、状態が改善して「要介護2」未満になったら退去を求められる。
今思えば、その可能性もけっこう高かった。
元の賃貸の住居は引き払う。
ついでに、ワタシの「藤沢の我が家」も夏までに引き払って、札幌へ本格移住する。
月々の支払いは「母の年金+母の貯金の取り崩し」でまかなう。
それでは足りない場合は、ワタシが出す。
ワタシが入居時の「一時金」を積むことで、月々の金額を減らしてもいい。
候補としては「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」か「住宅型有料老人ホーム(住宅型)」がいいんじゃないか?と。
実質的には似たようなものだが。
どちらのタイプも、施設によってサービスや雰囲気にかなりの違いがある。
とはいえ、ざっくりした印象では、「サ高住」はより「普通の一人暮らし」に近く、「住宅型」は「我々がイメージする老人ホーム」に近い。
入居時の契約や手続きの点でいうと、「サ高住」は一般の賃貸住宅を借りるときと似ていて、入居時に敷金がかかる程度(かからないところもある)。
水道光熱費は別契約で、従量制課金。
「住宅型」は、入居金0(ゼロコース)で月額がお高い方式と、それなりの入居金を入れることで月額を下げる方式が多い。
ゼロコースしかない割とお手頃な老人ホームもある。
ワタシが調べた範囲では、水道光熱費は利用料金に含まれていて、入居時・退去時の「手間」は楽そう。
そう、「有料老人ホーム」といえば「お高いんでしょ?」と思いがちだが、そうでもないところもけっこうある。
一方で、「特別養護老人ホーム(特養)」は安いという認識だったが、実はそうでもない。
贅沢言わなければ、特養より安い老人ホームもゴロゴロある。
また、収入(主に年金受給額)が多い場合は、特養でも相応の負担を求められる。
お金に余裕があるひとは、公共性の高い特養じゃなくて、有料老人ホームへ行ってください、ということを示唆しているようだ。
「母に向いていそうな施設」であることは当然重要なのだが。
我々は札幌へ移住し、ちょこちょこと会いに来る生活にするから、「交通の便がいいところ」が必須条件だった。
希望は、最寄り駅から徒歩10分以内、タクシーでワンメーター程度。
我々が面会に行くときに、母の気分が乗ったら、一緒にブラブラ買物に行けるような土地柄がいい。
できれば、長年住み慣れた藤沢市がいいでしょう。
そうでなくても、その周辺。
…ってね。
そんなところは、藤沢市内にはなかったのよ〜
藤沢市内だって、高齢者施設はたくさんある。
母が元気だった頃にうっすら考えていたように、母が生きている間はワタシも藤沢にいるのなら、ちょっとくらい駅から遠くてもいい。
「藤沢の我が家」から長散歩で行ける範囲の「ここって…最寄り駅ってどこ?」な場所にも、たくさんあるのだよ。
交通機関要件を満たす施設がありそうなのは小田急江ノ島線の湘南台駅近辺くらい。
ただ、湘南台駅はとても便利なので、割高感がある。ちなみに、一般の賃貸や分譲住宅も同様。
さらに、「母を連れてお買い物」というには、人が多くて賑やかすぎる。
老人ホーム探しには、老健で紹介された「施設紹介業者」を利用した。
ネットで検索して、自力で探すこともできただろうけれど。
ほら、転職もさ、「転職エージェント」ってあるでしょ。
あれと似ている。
ネットで検索するだけじゃわからない情報も把握していて、よいところをオススメしてくれる。
段取りをつけて見学にも同行してくれるし、気に入った複数の施設に「仮申込」を入れておいて、最終的に決めた施設以外には「お断り」もしてくれるから、こちらは気がラク。
ショッピングモールや不動産やの店先に「高齢者施設の相談に乗ります!」みたいな看板を見かけたことが何度もある。
ああいうところって、どういう人が利用するのかなあ、ケアマネに相談すれば十分じゃないのかなあ、と、まだまだ縁がないころは思っていたのだが。
ケアマネさんも得手・不得手があって、広いエリアの有料老人ホーム情報まで詳しく知っているわけではなさそう。
希望を伝えて提示された「候補」には、藤沢市内だけでなく、大和市と海老名市の施設も含まれていた。
で、その中から「海老名市」を選んだわけだが。
自分でネット検索していたときにうっすら気づいたが、藤沢市の高齢者施設は、大和市・海老名市、さらには近隣の綾瀬市・座間市と比べると割高かもしれない。
同じ料金で、より高グレードなところに入居できる、という印象。
我々は「交通至便」にこだわったが、不便なところでもよければ、なおさらそうだろう。
ちなみに、施設紹介業者の方によれば、横浜市だと、「え?そこって横浜?」とうっかり言いそうになる「横浜の辺境」であっても、さらに割高らしい。