よだれ人形みどり児もけむりを吐いて眠るのでまぶたの下は汽車なのだろう口に出せばおまえを呼んだことになるつつじヶ丘に文字なす傷は鰐というリングネームの女から真っ赤な屋根裏を貢がれるブルーシートに「瀬戸内海」とペンで書け恋人よ 毛玉まみれの肩よバス停を並ぶものだと気づくのはいずれ人ばかりではあるまい(初出『NHK短歌』2011年4月号)