ヘッドフォンで殴りかかってきたくせに友達なのかキスしてくれ 我妻俊樹
これは自分ではけっこう気に入っている歌です。短歌をつくるということは、短歌で自分が出せる声に何らかの耳慣れない響きを付け加えることでなければつくる意味がない、と思うけど、去年はそういう面ではそれなりの成果があったという自己評価をしていて、その成果の一部を代表する歌だというのはたぶん自分にしか意味のないことだけど、自分にとってはけっこう重要なことです。
話し言葉が話しようもなく書かれる、という側面から短歌のなかで考えるべきことは多いと感じますね。私が短歌におぼえる興味はわずかな側面だけなので、そこだけ集中して偏って考えたということの記録として、録音するように歌もつくっていきたいものだと思う。
題詠blog2009、お題「達」より。