いつまでも真っ赤な小学校なわけ無いじゃないポストじゃあるまいし 我妻俊樹
短歌はもっと話し言葉でつくられていいんじゃないかという気がするけど、自分の歌にもあまりないですね。話し言葉というのは、まあじっさいには書いてるわけですが、だらだら書くことで話し言葉らしさが出るというところがある。そういうだらだらの中で、あるおもしろい瞬間を切り取ったような歌、ってのはおもしろいんじゃないか。
でもなかなかうまくいかなくて、やっぱりだらだらの一部を切り取ったというより、フレームの中で意識的にだらだらのふりをしてる、としか見えないものに大抵はなってしまう。そう見えるのが正しいというか、じっさいはそうなんだけど。
掲出歌は、そういうねらいの感じられる歌としてはうまくいってるほうじゃないか。という自分での判断です。現実というよりは芝居のセリフっぽいけど、だらだらした芝居(のようなもの)から切り取った数秒くらいには見えないかな? と。