見えないものは想像できない | 喜劇 眼の前旅館

喜劇 眼の前旅館

短歌のブログ

私は自分の書こうとしているものへの想像力がとてつもなく弱い。もちろんそれなしに書きはじめることはできないはずだが、そんな想像力はすぐにしぼんでしまうか、間違った伝言リレーのように書きながら輪郭がぐずぐずにくずれてしまう。

私の想像力が力を得、頑丈な輪郭を得るのは、書いたものがどこか具体的な場所で人目にさらされていることを想像したときだけだ。

だから公募新人賞の応募にはいつもはげしくとまどう。読む人として、読まれる場として想像力のターゲットをどこに搾ればいいかわからないからだ。
いちばん想像しやすいのは受賞後の掲載誌とその読者だけど、そこへいくまでに下読みや編集者や選考委員という読者がいてそのどこでストップがかかっても掲載には至らない。と思うと気が散って全然想像にひたれないし、これらすべての「読者」とその読まれる場を想像しようとしてもあまりに複雑だし不透明で想像力はしぼんでしまう。(私の想像力は不透明なものには働かないらしい。)

具体的な読者と場所に想像力を縛られることで刺激にする方法をさがすべきだと思う。
またメルマガでも出すか。それとも印刷物じゃないと駄目なのか。ブログではどうもうまくいかないのは敷居が低すぎるからだろうか。エネルギーの溜めがきかないというか。手書きで書いて画像取り込んでアップくらいの手続きは儀式的に必要かもしれない。