演劇への嫉妬 | 喜劇 眼の前旅館

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短歌のブログ

私は嫉妬心がもともとあまりないほうで、とくに最近はもう何を見ても心の嫉妬の針がぴくりとも触れない、といっていいくらい気持ちが平穏というか嫉妬不感症になってる。だけど演劇だけはなぜか見ると非常に嫉妬をかきたてられ、自分がその舞台をただ観てる側にいるしかない、その場で行われてることの人々の輪の外にいるしかないということに何だか胸苦しい気分になるということをさっき芝居のほうの(映画じゃないほうの)「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」を某動画で見てたら急に思い出した。嫉妬心の不足は私が社会の底辺で心安らかに生きられるための資質で、あるいは身につけた知恵かもしれないけど、つまりであるがゆえに底辺にいっぱなしな大きな理由のひとつだということも考えた。演劇の、時間と空間に縛られる感じを小説から多すぎる自由を削減するための擬態として借りられないかという下心で観てみたら、思いがけないことに気づかされたという次第。