坂野信彦『七五調の謎をとく―日本語リズム原論』が図書館にあると分かったので借りて読みました。これは短歌やってる人は読んどいた方がいいと思いますね。同じ著者の『深層短歌宣言』がその題名どおり短歌の“深層”に降りようとしてややオカルトがかってたことを思うと、肩透かしなくらい“表層”にとどまってる論考なのが爽快でした。表層っていうのはつまり、言葉そのものの現場に踏みとどまってるってことで、薄っぺらいって意味じゃないですよ。本としては正直後半単調でだいぶ飛ばし読み。でもそのストイックさがこの本を使える本、にしていると思います。目からウロコは確実に落ちるので、あとはその目で何を見るかはご自由に、という本ですね。