毎日、飲んでいた。


多発性骨髄腫患者で闘病中ということになっているものの。毎日、欠かさず飲んでいた。さすがに、帝国大学病院入院中は飲んでいなかったけれど(当たり前)。


とりわけ、前任地(本店)での二年間は、一人当たりの業務量としては異常に仕事が多く、ストレスフルな日々だったことから(と、仕事のせいにする)、酒に逃げた。


といっても、かみさんの前では、晩ごはんのとき、缶チューハイ(7%)350ml缶ひと缶だけ飲んでいた。土日祝はかみさんと本麒麟500ml缶ひと缶を二人で飲んでいただけだった。


しかし、実際には、帰宅前に、愛車善吉の車内で、ドンキで買った缶チューハイ(それもストロング缶。何ml何本かはご想像にお任せ)と唐揚げ等でアルコールを補給していた。したがって、かみさんが把握しているよりも、はるかに多くのアルコールをわたしは摂取していた。


もっとも、ドンキでの支払いは、全てクレジットカード決済であることから、かみさんも、かみさんの目の届かないところで、わたしが何かしら飲み食いしているであろうことは、分かっているとは思われる。


4月に入り、ブラックな生活からは解放され、通勤はそれなりに大変だけれど、平穏な日々が訪れた。にもかかわらず、わたしはカードリンカー(?)な生活を続けてきた。


5月下旬、かみさんが1週間、大阪は香里園の実家に帰った。別に夫婦間のトラブルではなく、前々から義父が娘に帰ってきてくれ〜と言い続けていたので、帰ったものだ(チケット取ったの私だし)。


独身貴族。

かみさんの目を気にすることなく、飲める。飲んだ。といっても、量的には、これまで同様のペース。そして、かみさんが帰ってくる前日に、空き缶を、缶とビンの収集日に出せるようまとめて、車に積んだ。1週間だが、改めて眺めるとすごい量の缶だった。


ふと。

なんだか、馬鹿馬鹿しくなってきた。


適度な飲酒は、身体に良いかも知れないが、どう計算しても、わたしのアルコール摂取量は、毎日飲むと成人病リスクの高まる40g/日をはるかに超えている。


身体を痛めつけて、無駄に金を使って(ドンキやサントリーには貢献しているが)、かみさんに隠れてカードリンカーやってる俺って。控えめに言って、クズだな。


いい加減、そんな自分に嫌気がさして。翌日、かみさんが帰ってきて以降(5/28以降)は。


平日は、飲まないことにした。飲むのは土日祝。かみさんと本麒麟500ml(実際のわたしの飲む分は350mlぐらいかな)。


もっとも、実際のところは、仕事の終わった解放感から金曜日も飲んだり、土日も、ちょっとドンキで缶チューハイ買って自販機の前で飲んでたりするんだけど(ここは隠そうかとも思ったが、100%正直に書くとこうなる)、1週間あたりのアルコール摂取量は、6割程度削減され、出費もかなり減ったのは事実だ(唐揚げとか買わなくなったし)。


とはいえ、平日、飲まないことによるしんどさもある。これまでは、疲れていても、アルコールのおかげで誤魔化せていた辛さを、ほうじ茶でカバーすることはできないからだ。それでも、飲まなくたって、生きてはいける。


ちなみに、因果関係は不明だが、あの下痢・頻便といった問題がかなり解消したのも事実だ。薬の副作用と思い込んでいたけれど。ひょっとすると、長期にわたる過度な飲酒により、膵臓への負荷がかかり、膵液による消化が充分になされなかったことなどが原因だったのかも知れない。薬の副作用と思い込んでいたが、自業自得だったのかも知れない。


また、これはアルコールとは関係ないのかも知れないが。


平日飲まなくなって最初の血液科外来。主治医せんせーは、少しホッとしていた。相変わらずグロブリンigGは400代前半だが。


ずっと検出限界の0.1しか出なかったB細胞CD19が数ヶ月ぶりに0.3になった。これは正常なB細胞に発現する抗原分子で、B細胞が形質細胞に成熟すると消えるそうなのだが、難しいことはよくわからん。要するにグロブリンを作るための形質細胞の前段階であるB細胞がちゃんと十分な数量あるかどうかを検査するものなのだろう。


したがって、ずっと0.1だった数値にようやく回復の兆しが見えた、つまり免疫グロブリン製造工場である形質細胞の前段階のB細胞の壊滅的な状況が、底を打ったのではないかということだ。ささやかな増加とはいえ、ひとによっては、ずっと回復しないこともあるそうで、そこを主治医せんせーは心配していたのだ。


この底打ちは、最後に抗体医薬ダラツムマブを打って3ヶ月経ったからかも知れないし、もう一剤を打ち終えて半年経ったからかも知れない。ただ、その回復をひょっとして、過度な飲酒がさらに妨げていたのかも知れない(これは単なる憶測)。


早いところ、ハイゼントラとはおさらばしたいので(今回から保険診療になったので負担感大きいし)、酒を減らすことで、免疫が回復するなら、経済的にも健康的にも悪くはない。


完全禁酒とまでは考えてはいないけれど。とりあえず週休4〜5日の生活は特に苦痛でもない。お腹の問題も免疫の問題もひょっとすると、これが主犯でなくても、従犯である可能性があるし。無駄な出費も減るし。と考えると、当面、この生活を、続けてみようと思う。


以上、こんなひとだったのかとがっかりした方がおられるかも知れないけれど。ほぼほぼ、ありのままを書いてみた。