再生可能エネルギーの供給過多 | 西田直史

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今日のニュース。

再生可能エネルギーが余ってしまって1年で19億キロワット制御されたとのこと。

 

朝日新聞 2024/2/10

 

 

太陽光と風力による発電を一時的に止める「出力制御」が2023年に急増し、1年間に制御された電力量が全国で計約19・2億キロワット時に達したことが朝日新聞の集計でわかった。過去最多だった21年の3倍超で、約45万世帯分の年間消費電力量に相当する。再生可能エネルギーを生かし切れていない。

 電気は発電量と使用量をそろえないと周波数が乱れて大停電になるおそれがある。発電量が過剰になる時に、発電量と使用量のバランスを保つため大手電力が再エネの発電を一時停止するのが出力制御だ。国のルールでは、まず二酸化炭素(CO2)の排出量が多く、出力を上げ下げしやすい火力を減らし、余った電気を他の地域に送る。次にバイオマス、太陽光・風力の順で再エネを抑える。出力を簡単に調整できないとされる原発は最後となる。

 出力制御は、太陽光の導入が早かった九州で18年秋に始まり、22年春以降に東京電力管内を除く全国に広がった。22年は中国、四国、東北、北海道、23年は沖縄、北陸、中部、関西の各電力エリアで始まった。

 大手電力が23年末までの需給実績を公表したのを受けて、送電網が別の沖縄と未実施の東京を除く8社の太陽光と風力の制御量を集計した。23年1~12月の制御量は約19・2億キロワット時で、過去最多だった21年(約5・8億キロワット時)の約3・3倍、22年(約3・0億キロワット時)の約6・5倍だった。全体の7割を九州が占めた。

 

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ちょうど最近気になってた話題でした。

地方ですとあちこちにソーラーパネルが設置されていて、「こんだけ設置されてたら電気料金下がってもいいんじゃない?」って思ってました。

 

記事を読む(有料記事なため途中まで)とそうではなくて、”発電量と使用量のバランスを保つため大手電力が再エネの発電を一時停止するのが出力制御”が必要なようで、電気を蓄えておくとか原発での発電を減らすことができないようです。

 

 

なんやそれ。

 

 

阿蘇のソーラーパネルなんか、思いっきり自然破壊してパネル設置してるのに、使う必要ないくらい出力制御されてるわけです。

 

阿蘇のパネル

 

 

再生可能エネルギーが45万件分(1年間)も無駄になってたとは、、

 

このニュースに関して苫米地さんのコメント

 

 

"電気は発電量と使用量をそろえないと周波数が乱れて大停電になる"とあるが、以下文献で「系統全体の慣性力の低下」が原因と分かる。

 

電力中研によれば「太陽発電力PVの大量導入が電源脱落時の周波数低下」の主要因だ。技術的解決はコンバータ等によるPV出力安定化。抜本的には東西の周波数を同じにすること。60Hzにするとか。これで系統全体の慣性力レジリエンスは一気に上がる。 

 

東西の電力周波数統一の必要性は、自然災害や有事も鑑みて過去に書籍等で何度も何度も指摘して来た。 

 

現在のほとんどの機器は一部の町工場などをのぞいてヘルツフリーで周波数非依存。周波数依存の町工場などに機器のヘルツフリー化補助金出す方が国レベルで50Hz60Hz双方向変換能力に資金出すより遥かに安上がり。

これも本に書いた。 

 

これをどうしてもせずに周波数変換能力を上げる一部事業者の小手先に予算を注ぎ込み続けている。 関西電力側と東京電力側で周波数が異なることに余程うまみがあるのだろう。

 

 朝日の記事では"太陽光発電の電気が余ってるため抑制"と、電力が余ってる時の話を中心にして論点が思いっきりズレてるが、問題は需要が大きくなって電力が足りなくなった時に周波数低下すること。 

この周波数低下の理由は電力中研が指摘してる通り、太陽光発電の大量導入だ。 東西周波数分離も太陽光発電大量導入も、一部の利権が国民の利益を犠牲にしているばかりか、大災害の要因を作っている。

 

 異なる周波数の維持と太陽光発電の大量導入。どちらも間違いなく国民ではなく自己利益を優先する政治家が後ろにいるのは自明

 

 

 経済産業省資源エネルギー庁 出力制御について

電力中央研究報告書

 

PV大量導入が大電源脱落時の 周波数低下に及ぼす影響

送配電網協議会

大規模停電回避に向けて ~ 系統周波数維持の取組み ~

中部電力

最大電源脱力サイトの点検結果

 

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関東と関西の電力周波数が異なるのは利権ということですね。

 

パネル設置して自然破壊して再生可能エネルギーで発電しても余って制御され、、

 

 「異なる周波数の維持と太陽光発電の大量導入。どちらも間違いなく国民ではなく自己利益を優先する政治家が後ろにいるのは自明」

 

 

再生可能エネルギー増えても国民の負担は減るわけではないということか。

 

 

電力大手最高益   矛盾を感じるわ