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就農する前、農業ボランティアをしていた
僕が住んでいる市では、市が主導で農業してみたい人、興味がある人と
農業手伝ってもらいたい農家の方をマッチングされる仕組みがあり
ボランティアという形で農家さんの実情を体当たりで調べたことがある。
実際にボランティアをしてみて感じたことは
自分の労働時間は度外視で、
売り上げ至上主義&どんぶり勘定
PC等での業務管理は皆無で売り先は農協任せ。
これが正直な感想。
今でもこれは正しい認識だと思う。
サラリーマンから脱サラして農業を目指す方は
マーケティング技術があったり、PCでの経営管理ができたり
チームリーダーとして活躍した経験をもっていたりするので
栽培技術がなくてもそれを補えるスキルがあったりする。
しかし、親子数代に渡って農家って場合、
栽培技術は確かに神の領域。
これから農業をしようと考えている者にとっては
どうしようもいくらい高くそびえたつ壁であることは間違いない。
この経験の差を埋めるには違う土俵に立たねば勝負にならない。
今から経験を積んで勝てる分野でない。
そこで、上記のようなマーケティングや組織をまとめる力、
その他サラリーマン時代に培った技術で対抗していくのが
農業で生き残る道だと確信した。
そういう意味でまだまだ伸びしろのある農業に飛び込んでみた訳だが、
いくら栽培以外のスキルがあったとしても、
やはり、売るもの自体を作れなければビジネス自体が成り立たないことに
今更ながら気づかされる。
逆に言えば、栽培技術さえ、まぁ100点までとはいかなくても
80点位の野菜が作れれば、それに各々のスキルを足していけば
経営は成り立つはずだ。
今考えれば、なんの後ろ盾もない僕みたいな新規就農者が
いきなり苺のハウス栽培で8000万ちかい事業費を組んで
経営を始めたところで、1年目からこけるのは火を見るよりも明らかだったのかもしれない。
もしあなたが農業をしたい理由が
前の職場が嫌だったから
転職ができなかったから
やりたい仕事がみつからないから
誰でもできそうだから
といった類の理由で農業を始めるのであれば
失敗する可能性が高い。
自分がそうだったから言えること。
まだ失敗確定した訳ではないが非常に遠回りで苦労を強いられている現状がある
国民保険やら年金やら住民税やらの支払いで食費が削られる。
資金が乏しくなると心まで蝕まれる。
仕事で体力奪われ、資金面で精神的にダメージ受けヘロヘロになる。
そうならない為にも、今一度自分がなぜ農業を選択したのかを本気で考えるべきだ。
困るのが自分一人ならまだいい。
守るべき家族がいるなら、それこそ決死の覚悟で本気で理由と目標を考えるべきだ。
想像できることできないこと含めて資金面で困ることが多々あるので
さまざまな角度から対策を事前に考えておく必要がある。
ざっと思いつくだけでも、
・雇用保険がないから農業を断念した場合、次の職見つけるまでの間の資金を考える必要がある
・サラリーマン勤めだった場合、健康保険料が今の倍上がると考えていい。支払いをどうするか
・子供がいる場合、成長ステージに合わせて学費やら生活費やらの支払いも上がる。
・農業に必須な軽トラ等の車両を購入した場合、駐車場代や維持費やガソリン代等がかかる
さらに自分の場合は農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)を受給していたが
そこにも甘えが出てしまい、ついつい楽な方へ流れて
給付金を生活費として消費してしまった。
すべては農業に対する、将来に対する成功に対するイメージと
それをどう実現していくかという行動力
さらに言うなら危機感と決意が圧倒的に足りなかったと
今更ながら強烈に反省している。
しかしまだ道はある。
きっと大丈夫。
大丈夫。
記事書く気力もないので要点だけ。
ハウス立てて新規就農を目指す場合
必ず考えておきたいこと。
鋼材が値上がり続けてます。
今までも上がり続けているのに4月にさらに15%値上げ。
うちでいうと2反イチゴ高設栽培6000万の事業のから
(この時点ですでに市の計画5000万から1000万のオーバー
この1000万は完全な自己負担になる。)
金額が大きいので1%上がっても壊滅的金額に。
しかも計画予算からはみ出た分は補助金でずに全額負担!
すでに1000万手出しになるのにさらにここから15%値上げになると…
しかも隣県の災害復旧で工事班、設計班がいないので
人件費増も確定事項。
事業すすめても地獄。
農業やめても補助金返還で600万(夫婦2人で2年受給したので)
事業の金額が問題ではない。
危ないのは返せるだけの資金が
手元に一切ない状態が初年度からずっと続くこと。
また気力が回復したら書いていくが、
オリンピックが鋼材値上げの要因でもあるので
しばらくは様子みて、戦略的一時撤退も視野に入れて下さい。
ぶっちゃけ文章を見直す時間も気力もないので分かりにくい
文面になってると思います。
質問あれば答えれる範囲で答えます。
現在進行中で苦難の真っただ中。
不安と恐怖に押しつぶされ、
呼吸は浅くなり、
視野は狭く、
思考も定まらず
1分前の会話も思い出せない。
苦しい。本当に苦しい。
働かなくてはと頭では思うが、体も限界。
資金が底をついているので、食費を賄えず
一日1食分を2回に分割して食べる。
朝食は黒砂糖の小さな欠片を口にする。
7月には子供が生まれる。
4月12日は長男の入学。
しっかり者の下の女の子は年中さんに。
お腹が大きく動きづらそうにしている
嫁の顔は穏やかではあるが目の下のクマは隠せず。
生きていくのが辛い。
自分の選択の為に家族に多大な迷惑が掛かっている。
農業をして時間に縛られない生活を夢見て、
家族がいつもそばにいて
笑顔で過ごせることを願って始めた
農業ではなかったのか?
根本が大きく揺らぐ。
理想と現実の違い。
プレッシャーを押し返すにも体力、精神力の限界が
もう近い。すぐそこだ。
ただ、ここで思うのは
これから農業を目指す人に
その夢は本当に実現可能かを
よくよく検討してもらいたい。
夢をみているときは
都合の悪いことは見えづらく
楽観的に物事をみてしまう。
都合の良いことはキラキラとまぶしすぎて
都合の悪いことは陰に隠れてしまう
新規就農を目指すにあたって
農業という、まだ居ぬ世界に対し
認識も甘い。
どうか同じ轍を踏まないでほしい。
これから少しずつ
ここに至る経緯を綴っていきたいと思う。
もう一度言う。
「どんなことがあってもその夢を背負い続ける覚悟があるか」
自分に問いただしてほしい
俺は自分も苦しいが、夢をもって農業を始めようとする人たちに
本気で伝えたいと考えている。
質問があればできるだけ答えたいと思う。
このブログをみて、迷いがでるようであれば
この先絶対に続かない。間違いない。
精神的な迷いだけではなく
物理的な限界も同時進行で起こるからだ。
新規就農では
農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)という制度がある。
農水省リンク→http://www.maff.go.jp/j/new_farmer/n_syunou/roudou.html
これはまた詳細を記したいと思うが、
これを利用すると縛りがでてくることと
甘えがでてくる。
ふと気が付けばその辺の貧困であえいでいる農家さんの仲間入りだ。
自分がまさにそうだ。
田舎の農家は売り方を知らない
パソコンを使えない、ネットを知らない
数字で物事を考えない
ここをクリアできる自分なら楽に稼げるだろうと始めた農業だった