コンサートの座席がどこになるかは運次第だと思われているが、実はそうでもない。
これは完全に運営(事務所)次第なので一般化して言うことはできないが、少なくとも私の応援しているハロー!プロジェクトの事務所であるアップフロントの主催するコンサートにおいては、良席をとるコツが存在する。
ハロプロはファンクラブに入っていたとしても、時として二階後列や三階席などに放逐されることがあるらしい。なんのためのファンクラブだ。
しかし私はこれまで、とあるコツを駆使することで、アリーナ席は当然として、アリーナの前方や最前席付近をもモノにしてきた。まさか二階や三階などに追いやられて塩を撒かれるような経験はない。
このコツを教えてしまうとまた競争が激化してしまうが……減るものでもないのでこのブログを読んでくれた諸賢に伝授したいと思う。
これは植村あかり卒業コンサートのとき。3列目だった。
単刀直入にいこう。
良い席を獲る(取るではなく、獲る。座席は取ろうとしても取れない。獲得するくらいの覚悟がなければならない)ためにやるべきこと、
それは……
「祈り」だ。
まぁ、待ってくれ。話を聞いてくれ。
そのこぶしをおさめてくれないか。
ぶっちゃけ、アップフロントが席を決めるのに何かしらのシステムを採用しているとは考えにくい。
なぜなら今だにチケットは現金支払いのみで、書留でチケットを郵送するというプライオリティの会社なのだ。何かしらのシステムを導入してハロオタ共を管理しているとは思えない。
と考えると、座席は完全にランダム。運である。
ファンとして物理的に科学的にできることはもう何もない。
ただし、祈ることはできる。
人間は唯一、祈ることのできる生き物だ。
気象学を知らぬ百姓が雨よ雨よと乞うことや、医療が未発達の時代において感染症に罹らぬよう祈祷を捧げるのと同じ。
良い座席が獲れますようにと、柏手叩いてそこらじゅうの神様や仏様に向かってお祈りしよう。
と言ってそこらじゅうの神や仏に礼拝するのは迷惑極まりないし、山川草木悉有仏性(さんせんそうもくしつうぶっしょう)、この世界にあるすべてのものは仏になる可能性を持っているのだから祈るったって埒があかない。
祈る先を間違えちゃいけない。
私たちが祈る相手は神でも仏でもなく、事務所だ。
ではどのように祈ればよいのだろうか?事務所のある方角へ向かって手を合わせればよいのだろうか?
それもいいのだが、実践の伴わない祈りはどこか空虚である。せっかくならちゃんとご利益のあることをしたい。
オタクにできる祈り、それは「行動」だ。
事務所にとってありがたいことを率先してやろう。
なにかを提出しろと言われたら提出し、なにかと忘れ物に用心して準備を怠らず、各場所に即したマナーを守り、事務所の言うことに従い、素早く行動する。事務所への敬意を行動によって示すことが実践的な「祈り」になる。
因果の鎖で物事は繋がっているから、誠実な行いはかならず善いこととして報われる。
私はこの、祈りの行動を欠かさないで、今日までやってきた。
チケットの先行受付が始まったら可及的速やかに受付を済ませる。この素早さは祈りそのものだ。そもそもチケットを確保できるかもわからないので、この受付だけは気持ち的にもはやく済ませてしまいたい。
当落は発表時間と同時に確認し、なるべくはやく(理想は1時間以内)に入金を済ませる。ハロプロはカード決済ができないので、コンビニなどに行って代金を支払わなければならない。だがこの一手間がいかにも祈り行動らしい。やはりカード決済では温かみがない。
電子チケットで顔写真登録が必要であれば、これもすぐに済ませる。先日、電車の中で顔写真登録が必要だったことに気づき、焦った私は駅で降りて誰もいないプラットホームで顔登録した。このときはちょっと後ろの方の座席になってしまった。焦りは禁物でもある。
オフィシャルショップやライブ会場、リリースイベントなどではスタッフの方々への挨拶や態度に気を付ける。スタッフの方々は神社で言うところの巫女的なポジション。つまり「使いの者」だ。敬意を欠かしてはならない(そもそもいかなる人間に対しても礼儀正しくあるべきだ)。
オタク共への気遣いも忘れたくない。オタク共は私と同じ側の人間なので、いったい祈り行動は意味をなさないようだが、ここで蹴落としたり裏切ったりして陥れてはどこかで繋がっている因果の鎖が軋んでたわみ、音を立て、いつか自分に禍いをもたらすに違いないのだ。芥川の『蜘蛛の糸』では主人公が同じ亡者を蹴落とす姿を仏に見られたことで地獄へ堕ちる羽目になった。オタクも同じである(そもそもいかなる人間に対しても礼儀正しくあるべきだ)。
このようなオタク的祈り行動がめぐりめぐって、チケットの座席の運などに反映されると私は信じているし、これまでの実績もある。
祈りは通じる。必ず。
全部の祈りを遂行することが難しいのならせめて入金だけは最優先にしておいてほしい。金銭は最も現実的な支援であり、この世界の契約の本質だから。
どの行動も誰にも迷惑をかけないばかりか気持ちの良いものばかりなので、ふつうに気分がいい。
これはすべての推し活(というか人生そのもの)に言えることだが、自分一人だけ得をしようとしたり、運営や事務所に文句ばかり言って自分の行動を省みなかったり、あろうことかアイドルやコンテンツそのものにケチをつけたり貶めたりするようでは幸福にはなれないだろう。
祈り行動が世界を救う。世界とは私たちであり、あなたそのものだ。
ここまで読んであらためてこぶしを握りなおした皆さん、
私はあなたを救いたい。