小片リサちゃんのアルバム『montage』聴きました?
ぜひ聴いてほしい。せっかくサブスクあるんで。
私はつばき時代の彼女を全然知らなくて、だから詳しいパーソナリティは知らなくて。
M-Lineスペシャルで初めて歌声を聴いたときに、なんというか儚い可愛さがあって、美しくも影があるというのかな、それで、あ、この子がつばきファクトリーの精神の表現者だったんだな、って直感的に理解した。
でもそのくらいしか知らなかったんですよ。ソロになってからもどんなシングルを出したのかも詳しくない。
だから今回のアルバムはニュートラルな立場で聴けた。
サブスクを解禁してくれなかったら彼女にほんとうの意味で出会うことはなかっただろうから、事務所にはとっても感謝してる。
1曲目「あかとき」でグッと心を掴まれた。このアルバムはバラードではじまるのだ。昨今珍しいと思いませんか。
この曲がほんとうに美しく、心に染み込んでくる。声質と合ってるし、雰囲気作りが完璧に思える。
ところが2曲目「Umbllera」もバラードがきて、おいおい、と思った。だって私がディレクターならアップテンポなものを持ってきたいと思うから。
でも、2曲目もバラードというのが、彼女の宣言にもなっていてさ。なんていうか、小片リサはこういうアーティストです、って言っているような気がしたんだよな。
で、これがまた「あかとき」に負けないくらい良い曲なのよ。
そしてここから、徐々にボルテージをあげていく。静かに始まる物語は流転するようにファンタジーを炸裂していく。
全18曲の聴きごたえある内容で、なによりも映画的というコンセプトもあって、おもしろいアルバムだ。
つばき時代を知らないけど、小片リサちゃんはもうアイドルではないのだろう。宮本佳林ちゃんとか まなかんはソロになってもアイドル的だからさ。明確に方向性が違うなって思った。
アイドルとしての小片リサちゃんのファンだったらこの別れは少し悲しいかもしれない。
でもこうして私みたいな新しいファンができているわけだし、表現者なら自分の表現したいことを自分の方法で模索して打ち出して行ったほうが魅力的だと思う。
だし、私が彼女の歌声の根っからのファンなら、それが何よりも嬉しい。
(アイドルのリサちゃんはM-Lineで見られるしね)
ところでアルバムはバラードだけじゃない。ロックもあるしバラエティ豊かだ。
とくに「パラレルファンタジア」。
聴きましたか?
今すぐにでも聴いてほしい。
なんだこの曲の構成は?BEYOOOOONDSでもこんなのないぞ。小片リサちゃんのこの雰囲気と作風で、この曲の方向性に尖っているのが信じがたい。
はっきり言って、この曲を聴いて大好きになった。
曲の構成がめちゃくちゃというか、素人では形容できないかんじで。
クラシック映画の世界観で大人しそうな見た目のくせにゴリゴリのファンタジー大作で、目まぐるしくプログレやってるみたい。意味がわかんないでしょう。意味がわからないんですよ。
リズムも異常。歌わせる気ないでしょ?
パラレルファンタジアのサビ中のポリリズム、文字だと難しいとの声もあったので、実演してみました!
— 戸嶋 友祐 (@ToToTo_JIMA) 2024年6月24日
(動画掲載許可はいただいてますが、メロディは一応なんとなくぼかして演奏してます)
左手が4分音符、右手が2拍3連符と呼ばれるリズムで、それを両手で同時に刻んでいます!#小片リサ#montage pic.twitter.com/idAer5dIJs
作曲者がなんか解説?してるやつ。
2拍3連のリズムの気持ち良さよ。
いやそれにしても、1曲4分の中で劇伴曲やってるみたいで、こんな変態曲も歌えるんだって、ものすごく痺れた。
ライブだとどうなるんだろう。気になるねぇ。
個人的には「パラレルファンタジア」は「可能性」を示す傑作に思えた。
まだ聴いていない人が羨ましい。これからこの感動を浴びることができるなんて。