FUNKY FLUSHIN'という曲を知ったのはJuice=Juiceがカバーしてからで、同時期にリリースされたプライド・ブライトと比べたら、最初に聴いたときはとくに大きな感想は持たなかったように記憶している。
へぇ〜、こういうのやるの。
プラスティック・ラブとかダウン・タウンのカバーシリーズに続くのね。
くらいの感じだった。
なんなら、なんか地味だな、とすら思っていた。



ただ2回、3回と聴いていくうちにこの曲の「気持ちよさ」に気付きましてね。

ミドルテンポで体を揺らして、心地良い浮遊感がクセになる、なんかスゲー曲になった。

地味だな〜、って自分、愚か。

全然地味ではないじゃないですか。

地味じゃないし、めちゃくちゃリズムが難しい。休符できちんと休み、音符の数だけ音を正確に伸ばして、切って、横揺れのリズムを感じながらノッてないと歌えない。

Juice=Juiceに簡単な曲などない。

このあと、7インチのレコードも買った。最高。


私の「地味だな〜」って感想は愚かだったとしても、この曲の魅力を初めて聴いたときから完全にわかっていた人はどれくらいいるのだろうか。

プライド・ブライトなんかはわかりやすくキラーチューンだし、初披露のときからコールができつつあったというのも頷ける。

でもFUNKY FLUSHIN'は……?

知らないけど、どちらかというとのんびり聴く雰囲気だったんじゃないかと思われる。


ライブで最初に披露したときの反応や、コールがどうだったのかはわからない。私が初めてJuice=Juiceのライブに行けたのは2023年12月の武道館だったから。

その武道館であかりんごがフェイクを入れたり、コールがめっちゃあったり、手拍子をみんなでしたり、すごく盛り上がってて、え、こんな盛り上がる曲だったんだ、と驚いた。

ふわっと体を揺らしてる曲だと思ってた。

違った。

プライド・ブライトとは別の次元で盛り上がるライブ・チューンだった。


そのあとのthree of usでもやったし、ひなフェスでは全員曲だったし、もちろん春ツアーでもやってて、先日の植村あかり卒業コンサートでもやってくれて、あかりんごもフェイクを入れて、会場が沸き上がった。

なんならその卒業公演の武道館ではFUNKY FLUSHIN'をやってから会場のボルテージが一段上がった感じがして、そこからパフォーマンスも本領発揮されたような気がした。

植村あかりの卒業という、どうあっても硬さを意識してしまう気合いの入った公演。空回りしないように、とか、楽しまなきゃ、みたいな空気が肌感にずっとあって(私の気のせいだとするならそれでいい。あくまでも私の感想なので)。

武道館という特殊で特別な会場というのもあって正直序盤はファンもメンバーも肩に力が入っている緊張感が漂っていた。

でも、FUNKY FLUSHIN'が始まったとき、会場の空気が入れ替わった気がしたんですよね。

自然と体を揺らせるリズムに、ミドルテンポなのでファン側はコールを入れやすい。

フェイクのアレンジも面白いし、この一年相当の数を歌ってきた自信と実力が伴って、メンバーも堂々と楽しんでやっているのがわかる。

一気に空気が柔らかくなった。

ここからまだまだいくぞ!って。


そういうわけでFUNKY FLUSHIN'大好き。

音源よりもライブの出来がかなり良くて、メンバーも歌い慣れて熟成されている。

やはりデカい音で体揺らして聴くべきだ。

音楽を愉しむってのはこういうことなんだよ、って教えてくれる魔法みたいな楽曲だと思う。