◆ 穂首(ほくび)イモチ病の発生心配
関東はもとより 東北地方も水稲の穂が出て開花、結実しています。
稲病気の一番危険な時期は、穂が出る前後に 長雨に遭うことです。
穂がでる直前は、穂の上に水が溜まりやすく
長雨があると 雨水が溜まり、そこで稲の病害であるイモチ菌が増殖します。
その後、穂が生長し伸び、穂がそこを通り抜ける過程で
そのイモチ菌が穂に付着すると
そこにイモチ病が発生します。
付着しても 晴天が続き 乾燥すれば発病しないのですが
今回の長雨により 菌の増殖が心配されます。
さらに、
20℃以下の気温がイモチ菌の最適増殖環境ですので、関東より東北が該当します。
◆ 穂イモチ病は、籾の中への養分移動遮断
稲は、葉の光合成で得たデンプンを籾の中に移動し蓄え コメとなります。
穂イモチ病は、穂の下に発生するので、デンプンの移動を遮断してしまいます。
よって、稲が実りませんので
大きな減収 例えば 半減や7割減になる場合も見かけたことがあります。
◆ 植物病害のほとんどは、カビ
稲や野菜など 病害の8割は カビの付着、増殖が原因です。
カビは、湿度が高く低温の環境が適しています。
逆に 乾燥で高温は 適していません。
パンに水分を与え、日陰において置くと青カビが発生するのと同じことです。
稲や野菜は、自然環境も大きな要因ですが
栽培管理でも大きく影響受けます。
◆ 多肥料は 病害発生のワケ
稲や野菜に肥料を多く与えると
多くの葉や茎が発生し繁茂します。
そうすると風通しが悪くなり、日陰もできます。
それが、湿度が高く、カビの適した環境になります。
つまり、多肥料を与えると 結果的に病害が多くなります。
◆有機肥料は、病害少ないワケ
特に化学肥料は、与えた肥料のほとんどを急激に吸収しますので
茎や葉の繁茂が顕著に表われやすいです。
有機肥料は、分解しながら 肥料成分が徐々に少しずつ吸収されるので
茎や葉の繁茂することが 少ない傾向があります。
結果的に、有機肥料は 病害が少くなります。
ただ、安全だからといって大量に有機肥料を与えれば
病害が増えますので、ご注意下さい。