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咬み合わせと言うのは非常に繊細なものです。
しかし人は髪の毛や薄いペーパーを一枚咬んだだけでも、はっきりとそれが分かるはずです。
(^.^)
じゃあそれはどのくらいか?と言うと。
髪の毛は太くて100マイクロメートル(1mmの1/10)。
かなり薄い名刺で160マイクロメートル。
これがはっきりと分かるんですね!
今までは我々の歯科の世界において、咬み合わせの学問では歯をガチガチに固定した「斜面」でお互い上下の歯を支えるのが主流(学問的に)でした。
しかし、顎は動く部位であり、固定されたら窮屈でしかありません。
上の写真は私が同じ患者さんの模型で仮歯を作製したもので、過去に私が一生懸命行っていた斜面で支える咬み合わせ(写真左)と今行っている、点とフラットで支える咬み合わせ(写真右)の両方を作製したものです。
どちらも"見た目"はそこまで違和感はないかと思います。
しかし問題は食べるという機能においてです。
上の点は只の接触点であり、あくまでも顎が動いていない状態です。
しかし、一番は顎が食物を摂取するために動いているときの上下の歯の関わりが重要なのです!!
すなわち、上の点からスタートしていかにスムーズにもとに戻って来るか。
左の写真ではヒトの微量な横の動きによってぶつかってしまい、歯を横に押す力が働きやすくなります。
また、歯がかけたり、削れたりもします。
そして一つの斜面がやられたら、他の斜面にもより一層当たりやすくなります。
一方右の写真では、斜面で接していないために咬み合わせの力が歯を支える歯根膜や骨に均等に伝わり、多少の(直径0.5mm位)ヒトの横への動きも許してくれます。
何となく接触点が沢山ある方が良いんじゃないかと思われがちですが、どのくらいの距離、角度で上下の歯が接近し、離れて行くのかと言う動きの計画をする事の方が重要なのです!
(^-^)/
そして何よりも、作製するのが簡単です!
先日同級生の勉強会の時に講演して頂いた、日本大学の高見沢先生のスライドにアイン・シュタインの言葉がありました。
『Everything should be made as simple as possible, but not simpler.』
まさしくこれと同じで、どの様に歯が動いてどの様に接するかを細やかに考えて、実際に造形する際にはシンプルに出来る。
やはり何をやるにしてもこれに限りますね!
(b^-゜)