単行本だと「雨の降る日曜は幸福について考えよう」の題で2004年に、今回、私が手に取った文庫版の「知的幸福の技術」でも2009年というかなり昔に発行された本を、最近、読んだ。

 中古でFX関連本や資格試験関連本を買い漁る最中に、送料無料まであとわずかとい金額の穴埋めに買った本である。

 

 

 とはいえ、著者の橘玲氏は、昔から様々な媒体で投資や人生訓、そのほかいろいろな雑学についてコラムを書いている人で、私が勝手に心の中で尊敬する(「私淑する」というカッコいい言葉もある)人でもあるので、この本を買ったのは偶然の側面もあるが、まったくの偶然というわけでもない。

 

 書かれた時期が時期だけに、その内容の一部は古く感じる部分もあるが、大筋のところに問題はなく、日本が変わってきているとはいえ、いかにゆっくりとしか変われていないのかが良くわかる。

 本人があとがきで暴論と呼ぶPARTⅡの意見の中には、残念ながら、私が到底賛成できない意見も散見されるが、本全体に流れる考え方については、深く頷いてしまう自分がいる。

 

 その橘玲氏だが、私が今、FXでも儲かっているのは、遡って考えれば、氏のせいというかおかげということが言えなくもない。

 その昔、氏の「お金持ちになれる黄金の羽根の使い方」とロバート・キヨサキの「金持ち父さん貧乏父さん」が超話題になったとき、まだ若かった私もご多聞に漏れずに読んで、触発されて株を買い、投資信託を買い、その経験があったからこそ、この年になってFXを始める蛮勇を持てたからである。

 これらの本以外にも、氏の本はたくさん読んだが、やはり最初の衝撃が心に残り続けるものである。