【イラスト紹介】
No.15
★ドクトル☆キャット★
今日は、久しぶりに僕が今までに描いてきたオリジナルイラストを紹介します。
作品名:
『ドクトル☆キャット』
(サイズ:A4)
今よりほんの少しだけ昔、私たちが住むこの日本には“ドクトル☆キャット”という猫がいました。
“ドクトル☆キャット”は妖怪でした。
毎晩、人間の街に出掛けては、人間の“毒”(『憎しみ』『哀しみ』『怒り』といった感情)を吸い取って人々の心を救っていました。
“ドクトル☆キャット”の姿は、“普通”の人間には見えません。
つまり、誰にも感謝されないのです。
それなのに彼は、ずぅーと同じ事を繰り返していました。
“ドクトル☆キャット”は、元々、普通の猫でした。
飼い主の少年が首吊り自殺をしてから普通の猫を辞め“ドクトル☆キャット”になりました。
“ドクトル☆キャット”は、とても孤独でした。
何故なら、“ドクトル☆キャット”が普通の猫を辞めてから“人間”はおろか、“他の生物”にも彼の姿は全く見えなくなってしまったからです。
たぶん、彼が“普通”でなくなってしまったからでしょう。
ある寒い夜の事です。
大都会の中心で
“ドクトル☆キャット”は、血を吐いて倒れてしまいました。
原因は、“毒”の吸いすぎでした。
“ドクトル☆キャット”の身体は、赤くパンパンに膨れあがり、この上ない苦しみに、のたうち廻りました。
でも、誰ひとり助けてくれる者は、いませんでした。
当たり前です。“普通”の人間はおろか誰にも彼の姿は“見えない”のですから。
『駄目だ…。もう臨終だ…。オイラ、死ぬんだ…。』
“ドクトル☆キャット”が、“死”を覚悟した丁度その時、
『死なないで!!ドクトル☆キャット!!』
どこからともなくそんな声が聞こえてきました。
目を開けると白い三角帽を被った小さな豆粒台くらいの男の子が7人立っていました。
『あ、あんた達…。オ…、オイラの…事が…、見える…のか…?』
“ドクトル☆キャット”が問うと、
『見えるよ。いや、ずっと前から見てた。僕達は、君が人間達の“毒”を吸いとってくれたお陰で壊されずに済んだ“器物の精”。神様の命令で君の命を助ける様に言われたんだ。』
“ドクトル☆キャット”は、自分の存在に気付いてくれる者がいた事にとても驚き、涙を流しました。
『さあ、これをお飲みなさい。』
七人の三角帽の少年達は、一人一粒づつ、順番に並び、白いラムネ菓子の様な物を“ドクトル☆キャット”の口に入れました。
すると、どうでしょう。“ドクトル☆キャット”の口から大量の毒が溢れ出てきました。
“ドクトル☆キャット”は、苦しみから解放されました。
そして、これからは自分の為だけに“生きる”事にしました。
おしまい。




