100分de名著『 松本清張スペシャル 第4回「神々の乱心

 

松本清張の長編小説「神々の乱心」についてです。新刊本では発売していませんが、中古本がお盆前に届きました。9月に入ってから読もうと思っています。

 

松本清張の最後の作品ですが、完成前に亡くなったため、未完に終わっています。この小説の概略からご紹介しましょう。

 

 

≪概要≫

大正末期と昭和初期を舞台に、大日本帝国を根底から侵食せんとする新興宗教団体の陰謀を描く歴史ミステリー。著者死去のため、本書内で語られる事件の謎は十分に解明されないまま未完となったが、単行本・文春文庫版ともに、下巻の巻末に編集部注が付され、著者が担当編集者に語っていた構想など、結末を想像する手がかりが示されている。また、物語には、当時の実際の政治・社会情勢が折り込まれており、モデルが推定される登場人物・団体もある。(参考)松本清張(Wikipedia)

 

≪あらすじ≫

 

昭和8年のこと、埼玉県比企郡のとある町に、「月辰会研究所」という降霊術の研究団体があった。特高警察の吉屋警部は、内部の様子を聞こうと、研究所から出てきた若い女性に質問するが、その女性・北村幸子が宮中に奉仕する深町女官の使いであることが判明し、仰天する。

 

 

 

幸子の所持する封書には、北斗七星に新月を組み合わせた奇怪な紋章が付されていた。深町女官は、月辰会と関わりを持っているのか?吉屋が探りを入れようとした矢先、北村幸子は奈良県の吉野川で投身自殺をしてしまう。自分の尋問のせいかと責任を感じた吉屋は、幸子の葬儀に顔を出すため吉野町に向かった。

 

 

自殺現場で冥福を祈る吉屋の前に、一人の紳士が現れる。紳士は深町女官の弟・萩園泰之であった。幸子の弟・友一の依頼を受けた萩園泰之も、事件に首を突っ込み始める。しかし、謎は多岐にわたり深まっていった・・・。

 

 

 

月辰会の起源は大正15年に遡る、関東軍の情報将校だった秋元伍一は、日本を陰で操るという自分の野望を果たす為に満州で新興宗教を探していたが、江森静子という霊媒師と出会い意気投合する。

 

 

 

日本に帰国して秋元は平田有信と改名して月辰会を興し教祖となり恐ろしい程当る静子の霊能力を武器に宮中の中枢へ食指を伸ばす。やがて宮中の実力者たちや陸軍将校など多数が入信する。平田は古物商から「偽の三種の神器」を手に入れる。

 

 

その頃宮中では天皇を呪い殺す陰謀が露見する。 教団が大きくなるにつれ、静子は平田も手がだせないくらいに暴走を始める。(神々の乱心wikiより転載)

 

「神々の乱心:彩遊記さん」より引用

 

昭和天皇や貞明皇后、秩父宮に触れる箇所はありますが、登場人物としては出てきません。月辰会というのは架空の教団ですが、このゲツは、古事記や日本書紀でイザナギノミコトの右目から生まれたツクヨミノミコトに由来しています。ツクヨミは、左目から生まれたアマテラスオオミカミの次に生まれたとされています。アマテラスが昭和天皇だとすると、ツクヨミは秩父宮に相当するわけです。(引用終了)

 

 

昨日の「懺悔の値打ちもない」でご紹介した話です。安倍総理の懇願を黒田氏に繋いだのは紀子さまで、皇后陛下が激怒されたとか・・・。秋篠宮家と安倍総理&日本会議は全く繋がりがないとは言えなくなってきました。

 

昭和天皇と秩父宮さま、アマテラスとツクヨミ、眞子さまと小室さんの婚約会見では、お互いの印象を「月と太陽」に喩えられました。なんだか、小説と現実が似ているのよね~。えー

 

なお、「月辰会」は架空の教団になっていますが、当時の大本をモデルにしたようですし、秋元伍一(平田有信)については、「秋山真之がモデルじゃないかなぁ?」と思いました。ただ、大本、秋山真之が国家転覆を狙っていたという訳ではないと思います。半分はフィクション、半分は清張の予言だったのかもしれませんね。

 

 

100分de名著『 松本清張スペシャル 第1回「点と線」

100分de名著『 松本清張スペシャル 第2回「砂の器」

100分de名著『 松本清張スペシャル 第3回「昭和史発掘」

 

Eテレで取り上げられた松本清張作品は、他に上記の3作品があります。こちらの解説も見応えがあります。是非どうぞ~PC