※ マヤの発言部分を紫色にしています。
マヤにとってGは、未来で輝く天頂の星のように見えた。頭脳は冷静に保ち、情に流されず、そして心にあたたかさを持ってこの宇宙に存在しているGのことは、決して忘れることはないだろう。
※「未来で輝く天頂の星」とは移り変わる北極星のことでしょう。6月10日の「今日は時の記念日」でも述べたとおり、天体の運行を止めることは出来ず、古代の人々は、北極星が変わり始める21世紀の地球に大変動が起きることを知っていたのですよ。
この広大な宇宙空間の中で、Gに出会えたことに、ただただ感謝の気持ちが込み上げてきたが、たとえ、二度とGに会えなくても、ハートの中心には、いつでもその記憶を呼び寄せることができる・・・。
いよいよ、Gとの別れが迫っていることを、マヤは予感していた。
「・・・G、お願いがあります。わたしは、今度は一人で、スターゲートに行ってみたい。今のわたしが行くことができる太陽の国に、今度は一人で行ってみたい」
マヤは瞳をキラキラと輝かせながら、凛とした声を発していた。
夢の話あれこれ(13)(2017/11/19)より
「エリア#6と7の間を修復することが、この旅の目的ではなかったのか?幼い獅子よ、よく聞き給え。たとえ太陽の国にたどり着いたとしても、相棒が持っている鍵を使わなくては、君は元の世界に戻ることはできないのだ。
「それでもいいんです。わたしはもう決めました。なにものにも、とらわれることなく、わたしは好きな時に、好きなところへゆく」
自分の保護者的な存在であるGとの決別がなければ、太陽の国へは行かれないということを、マヤはずっと前から知っていたような気がした。
信じられないという表情が一瞬よぎったような気がしたが、冷静沈着な声でGは語り始めた。
「幼い獅子よ、よく考えてみたまえ。そう簡単に元の世界に帰って来られるならば、そこは本当に太陽の国と呼べるのだろうか?実際のところ、光の世界に一歩でも足を踏み入れたら、元の世界に帰りたくなくなるだろう。
映画に見る「量子の世界」(5)『タキオン粒子』(2/2)より
相棒の持っている鍵とは、今の君にとっては、必ずここに戻ってこようとする動機、君の意図だ。引き合う二つの力は、この宇宙空間において、どんなものでも創造することができるということを忘れないでくれたまえ。
君は分離を経験し、自分の半身を置いてゆくことによって、再びここに帰ってくることを決意する。光の世界を垣間見てしまえば、なにかを持ち帰ろうという意図でもない限り、わざわざこんな辺境の星には戻ってこようとは思わないだろう」
たとえ、どんなことをGに言われても、マヤの決意は揺るがないようだった。自分が今ここからいなくなっても、誰も困る人はいないし、いくらでも自分の代わりはいる。
本当は、太陽の国に行く動機も意図も大義名分もなく、ただ、そこに行ってみたいという好奇心が残っているだけで、相棒の持っている鍵など、もう、どこにも存在していないということを、マヤは知っていた。
以上、「6と7の架け橋」から転載しました。(次回は最終回です)
History(1997年 マイケル・ジャクソン)
次回で最終回となりますが、M・ジャクソンの選曲には悩みました。前半はメッセージ性の強い曲にし、後半は代表曲にしました。「History(ヒストリー)」はマイケル本人の歴史と共に紹介されている動画を選びましたが、歌詞も大変素晴らしいです。サビの歌詞はこうです。
日々の積み重ねが、君の歴史を作る。
どの道を進もうと、君はこの世に足跡を残していく。
どの闘士も、栄光のうちに死んでいく。
伝説はみな、征服と自由の歴史を今に伝える。
日本語訳の動画はこちらでどうぞ~
https://www.youtube.com/watch?v=aCapVphWWLQ&t=119s