モーツァルト、キューブリック監督は謎の死の真相はフリーメーソン?Mr都市伝説 関暁夫(是非ご覧ください)


モーツァルトとフリーメーソン その不可思議な関係とは?②

モーツァルトの死の周囲に漂う陰謀の臭い


日本の王子という『魔笛』の発想は、ボルンから出たものではないかと、私は思う。当時、日本に注目し、知ることのできる立場にいたのは、ボルンであった。

当時の日本は鎖国をしていたが、一部の啓蒙家たちは、日本に注目していたのだ。1779年にはドイツの医師ケンペルが書き記した『日本誌』のドイツ語版が出版され、カントやゲーテ、モンテスキューらの愛読書となった。

ドイツの医師ケンペルによって書かれた『日本誌』
日本誌

『日本誌』はヨーロッパに紹介された最初の本格的な日本の見聞録で、歴史や宗教、風土、文化などが体系的に紹介されたものであった。

ボルンがトップにいた皇王立図書館なら、一般には入手できない書籍、書簡、論文もあったはずだ。戦国時代に日本で布教活動したイエズス会士たちの書簡も、難なく読むことができただろう。日本についての中国の古文献も読めただろうし、会士たちが持ち帰った日本の書籍も所蔵してあったはずだ。しかもボルンは、錬金術の権威であった。このことは『魔笛』に大きな意味を持たせている。

メーソン02

『魔笛』のテキストによると、物語はエジプトのピラミッドが舞台となっている。タミーノはピラミッドのなかで、通過儀礼を受けるのである。

錬金術とは卑金属から金を精錬する試みのことを指すが、これはより完全な人間の肉体や精神を生み出すための霊的思想にも応用された。

「金属と卑金属」
金属

卑金属とは欲望と煩悩を持った人間であり、金属は神秘的霊性により完全な人間となることを示したのだ。それは≪隠された高次の探求≫であり、この思想はフリーメーソンの儀式にも取り込まれている。

おそらくボルンは、錬金術に対する豊富な知識と思想を買われて、オーストリアのフリーメーソンを束ね、また、イルミナティの指導的立場にスカウトされたのだろう。

ボルンの錬金術とはエジプトの秘数学、象徴学であり、≪隠された高次≫はエジプトの知恵にある。そしてエジプトの象徴学の根本はピラミッドにあった。それが『魔笛』に応用されたのである。

そのエジプトの象徴学だが、つきつめるとこれは、日本の天皇の神と酷使していることに気づく。ボルンがそこを嗅ぎ取った可能性もあるのだが、それについては後で述べる。

メーソン01

ここであえて、重ねていう。

ボルンは『魔笛』の制作中に、モーツァルトは完成直後に亡くなった。そしてモーツァルトは「毒を盛られた」といいつづけていた、と。

ふたりは何者かによって暗殺された・・・そう勘繰られても不思議はない。モーツァルトに毒を盛れる人物がいたとすれば、主治医のクロセットだろう。クロセットは、ボルンの主治医でもあった。ふたりの検視をしたのもクロセットである。明らかにクロセットが関わっている。

ただし、この考えに対する反論もまた容易にできることはお断りしておきたい。なぜなら、『魔笛』のテキストを書いたシカネーダーは、それから21年後の1812年まで生きている。殺されなかったのだ。
映画『ピラミッド5000年の嘘』より
5000年

仮に『暗殺』がフリーメーソンの仕業だというのなら、自由と友愛をうたう啓蒙主義者たちが、なぜそんなことをする必要があるのか、という指摘もある。だが、その言葉はこのように返すこともできる。

ならばなぜモーツァルトの遺体は紛失し、死因が隠ぺいされたのだ、と。隠ぺいしたのは葬儀委員長のスヴィーチンと主治医のクロセットであり、葬儀に参列していたサリエリ、ローザ―、オルスラ・・・みな、フリーメーソンなのである。

これは一度、考えてみる必要があるだろう。すなわち、フリーメーソンとは何かという問題である。(次回へ続く)
「月刊ムー5月号」より転載

(過去記事) 「ピラミッドの力」
アトランティスの心と【ハトホルの秘儀】