明和九年(一七七二年)、「行人坂の大火」の後の五鈴屋ゆかりのひとびとの物語。八代目店主周助の暖簾を巡る迷いと決断を描く「暖簾」。江戸に留まり、小間物商「菊栄」店主として新たな流行りを生みだすべく精進を重ねる菊栄の「菊日和」。姉への嫉妬や憎しみに囚われ続ける結が、苦悩の果てに漸く辿り着く「行合の空」。還暦を迎えた幸が、九代目店主で夫の賢輔とともに、五鈴屋の暖簾をどう守り、その商道を後世にどう残すのかを熟考し、決意する「幾世の鈴」。初代徳兵衛の創業から百年を越え、いざ、次の百年へ──。(出版社情報より引用しました)
「あきない世傳 金と銀」本編は既に完結していますが、番外編というかスピンオフ編というかの「特別巻」が、先だってのの上巻に続き、下巻も出て嬉しいです。
登場人物たちのその後や、途中で消えた人物のそちら側からの視点で描かれた物語など、ファンにとっては興味が尽きず、とっても楽しめる読書でした。
感想はネタバレあり、ご注意!
幸の三番目の夫であり病で早逝した智蔵が残していたもの。
うーーん、びっくり!自分、本編でその辺り、書かれていなかったように思ったけど、単に忘れていただけなのか。長期に渡って刊行された小説だと、細部は覚えていない事もあるとは思うが、果たして。
昨年の12月から今年2月にかけて、NHKでドラマが放送されていて、そちらも楽しく視聴しておりました。そういえば、ドラマでは智ぼんが、実家を出て世話になっていた本屋には、芸者さんみたいな色っぽい女性がおりましたな。智ぼんを訪ねていった幸に「私は女房」とウソをついていましたが、あながちウソでも無かったという事ですね。
優しくて誠実なイメージの智ぼんだったのに、やるんじゃないの!
しかも、知ってか知らずか、結果的にその女性を捨てて、幸と結婚したのですねえ。
菊栄と惣次のいい感じのお付き合いを描いた章もあり、自分的には大満足。
菊栄は商いの才にあふれた、自立した女店主であります。惣次も優秀な商売人だけれど、かつて自分と同等にあるいは超えるほどの商才を持つ女房だった幸に負けたと思い、出奔した過去があるだけに、菊栄といい感じだけどもどうなるのかなと気にしていたのです。
この二人は、ビジネスを通じていい友人付き合いをしながら、もう一つそれを越えた気持ちも持っていますよね。でも、お互いにそれ以上踏み込まない所にとどまるのが、好ましいと考えているようです。これも素敵な大人の関係で、理想的ですねえ!
そして、幸の妹、結です。
幸を裏切り、呉服商として姉を超え、なんなら姉のお店を踏み潰したいほどの情念を抱えていた結です。でも、勝負に負け、両替商の夫も不正を行って、夫婦ともども江戸にいられなくなりました。その後の、二人の暮らしが描かれます。小さな安い旅籠を営んでいました。
糸や布を通じて、細く姉とつながっている運命。姉妹が会う事は無いのでしょうが、結の産んだ姉妹が、まるで幸と結みたいな二人なのも、未来に希望がのぞいていますね。
そして、ずいぶん年を重ねた幸と賢輔の夫婦の行く末も、味わい深いことでした。
本当に、滋味あるお話でした
ドラマも面白かったですね。
きれいなお着物を映像で見られて素敵でした。
でも、全6回では、短いですよねえ。
幸たちが江戸に出てからが、ますます真骨頂なのに、大阪だけで終わってしまいましたもの。ぜひ、続編も観たいです!
久しぶりに外食でカレー
近所にあって、ずっと気になっていた ルーカレーNAGAMIYAさんで一人ランチ。
インドカレーとのことですが、カレー界に詳しくない自分で、どのような特徴があるのか良く分かりませんで、店員さんに質問したり、テーブルに置いてある説明を読んだりしながら頂きました。添加物を使用しないカレーだそうですよ。
初めての味わいといった新鮮な感じで大変美味しく頂きました。
ご飯のに振られていたインドのお菓子だというカリカリした粒だとか、何か固いものがあり、加齢で最近、知覚過敏症になっている歯が少し痛かったです。老人の悲哀を感じました笑
あと、飲み物がセルフサービスのお水のみ、という事に驚きました
ビールもワインも、ソフトドリンクも何もナイいので、外食時にそういった飲み物を頂けないのは、個人的には寂しかったです~