酔いどれ鳶 江戸人情短編傑作選 (朝日文庫) [ 宇江佐真理 ]

 

 

  宇江佐さん、お久しぶりでした♪

 

いどれ

江戸人情短編傑作選/菊池仁編

浪人となった元藩士とその妻の貧しくも温かい長屋暮らし「酔いどれ鳶」、検屍を専門とする医者と産婆の夫婦「室の梅」、人に言えぬ過ちや悩みを聞く、聞き屋与平の逸話「雑踏」、古道具屋に簪を売りにきた幼い姉弟の切ない情愛を描いた「びいどろ玉簪」など6編を精選。(BOOKデータベースより引用)

 

今となってはもう、宇江佐さんの新刊を読むことはかないませんが、時々本屋さんの新刊平台に載っている事があります。新しく編集された本書もその一つ。

宇江佐さんの本だ!と嬉しくなります。

こちらは歴史・時代小説を中心にする文芸評論家の方が選者です。

色々な短編集から、選ばれた6つのお話で、読んでみれば知っている登場人物が何人もいきいきと甦って来ます。人物は知ってるけど、ストーリーは新鮮で、未読なのか、忘れているだけなのか定かではありませんが(^^ゞ、どれも面白く楽しく読ませて頂きました~音譜

 

江戸の市井の人々が織りなすお話ですが、現代に起こる出来事や今に生きている私たちの心に浮かぶあれこれをリンクしているような事も多いのです。いつの時代だって人の心は変わらないとは思いますが、それぞれの時代の背景の中では、昔の人は異なる考え方をしていたかも知れませんね。でも、宇江佐さんは、うまあく現代とリンクされた出来事や、悩みや思いの行方を描いて、共感の気持ちを持たせてくれます。

 

「びいどろ玉簪」は、古道具屋に高価な簪を買って欲しいとやってくる幼い姉弟にまつわるお話。

おかみさんは垢じみたなりで、お腹を空かせている姉弟に同情して、こんにゃくの田楽を食べさせて、簪も買ってやるが、結局子どもたちは隙をみて、簪を持っていなくなってしまう。騙されて気落ちしたおかみさんだが、ある日町中で男に虐待されている二人を見つけて、事の真相を察するあまりに、思い切った行動に出たのでした。

今でいう「毒親」「幼児虐待」、そんなやりきれないお話ながら、哀しいおかみさんの心の内に寄り添って静かに読み終わりました。

 

どのお話も、人の心の内に立つさざ波を丁寧に優しく、表現されています。

久しぶりに宇江佐さんに会えて嬉しいひと時でした。

 

 

 

店舗修繕中で、お休みしているのでヒマで仕方ありません滝汗

日に何度か、工事中の店に行って打ち合わせたり、時には少々の作業をしたりもしますが、それにしたって平常営業とは違って、全く仕事をしている気分にはなりませんねあせる

そんな事で、マーケットリサーチ気分で、パン屋さん巡りをしてみたり、定休日の関係で行けないお店に行ってみたりとふらふらしております(笑)

こちらも普段なかなか行けないけれども好きなので、年1回くらいは行ってるでしょうか?

手打ち蕎麦こはしさん!

今月のお勧め、空豆とアスパラガスの天麩羅蕎麦を頂きました。季節ですねデレデレ