すぐ死ぬんだから (講談社文庫) [ 内館 牧子 ]

終活なんて一切しない。それより今を楽しまなきゃ。
78歳の忍ハナは、60代まではまったく身の回りをかまわなかった。だがある日、実年齢より上に見られて目が覚める。「人は中身よりまず外見を磨かねば」と。仲のいい夫と経営してきた酒屋は息子夫婦に譲っているが、問題は息子の嫁である。自分に手をかけず、貧乏くさくて人前に出せたものではない。それだけが不満の幸せな老後だ。ところが夫が倒れたことから、思いがけない裏を知ることになるーー。(出版社紹介より引用)

 

 

年をとっても、いつも身ぎれいにして趣味の一つもたしなんで生き生きと暮らすのは、理想。

そんな楽しい老後があったら、そりゃあいいこと。

でも、色々な要因で、そうもいかない事もあるだろう。

 

しかし、忍ハナは、外見をきれいにセンス良く若々しく整えることから、張りや気力が湧いてくると考え、実行した。今では人も驚くほどカッコよく、雑誌のグラビアに載るほどに、美しい78歳として、楽しく暮らしていたのだった。

 

まあこのハナさんに掛かれば、老け込んでしまった高校の同級生たちはケチョンケチョン。

地味な色合いの、身体に楽なウエストゴムのズボンや、量販店のダウンやスーパーのズックなんか身に着けているからババくさくなるのだ。

ぱっとしたきれいな色合いの上質な服に、品のいいアクセサリー、3cmでもヒールのある靴で背筋を伸ばして歩くハナさんは、自信満々である。

 

読みながら、耳が痛い自分である滝汗ガーン

自分と来たら、ファッションにはあまり興味が無く、一応TPOを最低限押さえればという程度、耳たぶが痛くなるからイヤリングなんかも付けていない。化粧も、特に今はマスクで隠れるのを良い事に、適当である。

 

ハナさんに見られたら、毒舌にやられっぱなしの目に合うだろう。

ハナさんの毒舌だけど、江戸っ子だからなのか、とても小気味がいい話し方だ。

外では、老舗の酒屋のご隠居さんとして品よく会話しているけど、家族の前ではちょっと伝法な感じがするほどで、きっぱりしたいなせな性格なんでしょうね。

 

こんなブイブイのハナさんが、ある日突然夫に死なれて、しかも夫には大きな秘密があった事が判明し、穏やかならざる心持ちに。

いつも「ハナは若くて、きれい。ハナと結婚して良かった。」と言ってくれた夫を失い、気力も損なわれ、あわやセルフネグレクト状態に陥る所を、むしろ前向きにしてくれたのは、

発覚した愛人とその子どもの存在だった。

負けられない。一発かましてやる(と、ハナさんのセリフにある)。

装いに磨きをかけて、愛人と対決するハナさんだ。

 

 

他人のメークに文句つける輩が世間にいるそうだけど、メークや装いは女の戦闘服。

そういう武器を持たない自分としても、それは分かる。

ビシッと決めて、気合を入れて戦いに臨むのよね。

 

ま、その武器の種類は人それぞれだけど、何かコレってものがあればいい。

ハナさんは、ちょっと出来過ぎなご婦人だけど、気概は見習わなくてはね!

老後の日々はまさに光陰矢の如し、すぐ死ぬんだから。

ぼけっとしてはいられない、、、のではあるが泣き笑い

 

 

 

朝食のトーストに:カヤジャム

カルディに行ったら、カヤジャムを見つけた。旅の思い出です。

早くコロナが終らないかな! 旅行に行く前に年老いてしまうがな泣