NHKで見ていた方もあおりかと思うが、西大后を田中裕子が演じて話題だったドラマの原作。自分もぜひ見たかったのだけど、ついに見逃したまま原作を読んでみた。浅田次郎さんの本は、読めばはまる。分かりきっていたことだけど、文庫本全4冊、一気読み(^_^; 


衰退していく大国清の壮絶な足掻きを、西大后と光緒帝の関係を中心において、新しい時代を作りだそうとする変法派の人物たちや、宦官・李春雲から見た西大后の姿などとともに大変ダイナミックに、けれんみたっぷりな登場人物とともに描かれている。


貧困から逃れたい一心の少年・春雲が自ら男性器を切り落とし宦官に志願する下りが書かれた1巻めから、もう夢中。毒殺や残虐行為が語られている(真実かどうかは歴史の謎として)西大后の本当の心の内など、面白さ満載です。


どの人物も魅力的に描かれているのだけど、やはり偉大な政治家・将軍であった李鴻章のカッコ良さにはしびれたなー。現代の我が国の政治家にも、ぜひこういうタイプの筋の通った方に出現して欲しいもの。


あと、漢字の人名の読みが難しいのが困るが、各ページごとに初出の名前にはルビがあるのはとても親切。でも、皇帝の名前や国名他、ルビの無いものも。これらは、常識として読み方を知っていなければならないもの?歴史を苦手科目としていた自分、大いに反省するべきか(^_^;