食べて飲んで観て読んだコト-第9地区
第9地区


南アフリカ共和国のヨハネスブルク上空に突然宇宙船が現れて、空中に静止したままとどまっている。何の動きも無いのが不気味で、ついに壁に穴を開けて侵入してみると、、、エイリアンたちが発見された。宇宙船が故障で飛べなくなり、食料も無く衰弱したエビに似たエイリアンたちだ。

ということで、政府は彼らを市内の第9地区に住まわせてやったのだが、すぐにスラム化して盗みや乱暴を働くなど、問題が多くさらに郊外の地区に移送して隔離することになった。その責任者になったヴィカスは第9地区に入ったが、謎の液体を顔に浴びてしまいその後体がエイリアン化していくのに気付き、大騒ぎになった、、、、。


これねー、最初見ていたら、「失敗したかな。」と思ったのね。オマール海老そっくりの顔やはさみを持ったヘンテコなガサイつくりのエイリアンに、いかにもお金を掛けてないような映像、なんか魅力に乏しい主役の俳優。ダンナなんか早々に鼾をかきはじめたし(^_^; ところが、見ている内にだんだんとこの奇想天外なお話に引き込まれていって、しまいには迫害されるエイリアンの親子(大エビと子エビなんだけど)に感情移入しちゃって、もう身を乗り出して見ちゃったくらいさー。


こんなに異形の登場人物に感情移入するなんて、信じられない(笑) ヴィカスは、変身が進むと捕えられて実験材料にされそうになって逃げ出して、もうこの親子に頼るしかない身に陥ってしまう。親子を脅したり、すかしたり、騙したり、裏切ったりするヒドイ奴(といってもヴィカスも可哀そうなんだけど)が、ついに最後には親子のために自分を犠牲にする決心を。・・・・もう同情と感動のあまり目がウルウルの自分(^_^;


このエビの親子が、知的でハンサムな科学者とその利発で可愛い息子に見えてくる不思議(笑) ヴィカスも汚れてワイルドになるほどにイイ男に見えてくるしな。

変わったモノが好きな人には、ぜひ見て頂きたいおすすめSF作品である。