パリで働いて暮らしている10人の人に話を聞いて、本にまとめたもの。著者自身も勤務先がパリになったために、パリで働いて暮らし、パリの嫌なところいいところを体験し、そこで出会った色々な人々の仕事や暮らしをていねいに聞き、思いをすくい取ったインタヴュー。対象になったのはその仕事で活躍しているが、いわゆる有名人というわけではなく普通の人々ではある。日本を離れて自分の才覚と努力や感性で、その業界で日の当たる場所を得ている方も多い。数あるフランス本の中でも、(日本人はここがダメだけどフランス人はこんなにステキに暮らしてるのよ、的スタンスではなく)なかなか興味深く読めた。


文化・背景が違い、地縁・血縁のないところで苦労しながら暮らしていく姿とともに、専門的な職業をご本人の素な言葉で(インタヴューであるから会話文の形で)、語られているところが面白い。著者の地の文で説明と感想を加えながら、的確な質問をはさみ答えを引き出している。著者自身も同じくパリで働き暮らしを営み人と出会って、ご飯を食べてワインを飲んでお喋りをして、そんな中から生まれた会話だからか。


それにしても、外国でこんなに仕事ができるってスゴイ。皆さん、やりたい事や才能のある事をしっかりお持ちなんで大変羨ましいことである。一番好きな人は小さなオートクチュールで働く女性テーラー。紳士服を全て手仕事で縫い上げる工房である。細かな手縫い仕事をやりたくてやりたくて、ここまで到達した。裁縫は自分、一番嫌いで苦手なこと(^_^; ただもう感心の一言。


またインタヴューを読みながら、なんとなくこんな感じの人かなあ、、なんて頭の中にぼんやりと人物像が浮かぶのだけど、最後のページに写真が載せてある方もある。それを見て、えっ、イメージが違うーとたいがい思った。全く読者というものは勝手な想像をするものである。




観葉植物:なんと何年ぶりかに新しい葉が伸びて来た。なんとかうまく育てたいもの。
食べて飲んで観て読んだコト-観葉植物