いよいよ、裁判員制度がスタートする運びとなった。反対する国民も多い中、どんどんスケジュールは進み初の裁判員が参加する裁判がもうすぐ始まる。どんな事件が選ばれるのだろうか。


ナニカに当たる、という確率が絶対低いと確信する自分である。宝くじはもちろんのこと、催し物のお楽しみ抽選会というようなものでも、周りの方々が「当たった!」と叫んで嬉しそうに景品を受け取りに行く中、自分(と、ダンナも)はいつも最後まで座ったままだ。ビンゴだって、全部揃った頃にはもう景品はなくなっている(^_^; そんな自分に「裁判員に選ばれました」などというお知らせが来ることはあり得ないだろう。と、自分には無関係な制度と楽観しているのんき者である。ところが、とても親等の近い親族の一人にそのお知らせが来ていると聞いてビックリ。そりゃ、自分ではないが、近い。2m離れた立ち木に雷が落ちたような気分~(笑)


さて、裁判といえばこの方であろう。北尾トロ氏が裁判長!おもいっきり悩んでもいいすか を上梓した。さっそく親族のためにもと思い購入したが、その前に読書済みでまだ感想を書いていなかった本書から。


人間臭さが溢れるような事件を好む北尾氏に案内されて垣間見る被告人たちは、なるほどしようもなかったり、異様だったり、おかしみを誘われたり、フツーじゃないな、と思わされる。また、北尾氏は被告人だけではなく、弁護士、検事、裁判長にも鋭い視線を注ぐ。これら全ての人たちが、見ごたえのある裁判になるかどうかを担う立役者なのである。


当時初めて父親になるという立場だった北尾氏が熱くなったのは、未婚で子どもを産み落としなんのケアもしないまま赤ん坊を死なせてしまい遺体を冷蔵庫にしまっておいたという、若い女性の裁判だった。なぜこんな悲惨な結末を迎えたのかを、北尾氏は女性のなんの解決方法も考えないままずるずると1日のばしにしてきただらしなさのせいと糾弾する。結果は、懲役3年に執行猶予がついた。北尾氏は「甘くないすか」と、問う。


自分が感動した事件は、心中を図ったものの妻だけが死んで生き残ってしまった夫の裁判。美人妻と元バーのボーイの夫という夫婦。結婚後は夫はタクシーの運転手として真面目に働き大変な愛妻家で、仲むつまじく暮らしていたという。ある日、妻が夫に言った。「家にはもうお金が無くなったから、これ以上暮らして行けない。一緒に死んで。」夫は、妻がそういうのならそうしようと、心中を図ったが一度目は失敗して二人とも生き残った。2度めは夫が「自分が先に逝くから、死んだのを確認してからアナタも死ぬようにして下さい」としたが、目覚めてしまい妻は死んでいたという。

妻が「家にお金がなくなった。」と言ったとき、普通に働いてお金を入れている夫なら「お金を何に使ったか」と問いただすだろう。その点を質問された時、この夫は「お金のことは妻に任せてあったのだから、妻が無いといえば無い。どう使ったか尋ねてどうなるのでしょう。」と答えている。

こんな風にかいつまんでしまうと伝わらないかと思うが、この法廷中の人々がこの夫の妻一筋の愛情に心打たれ後追いをしないかと心配したようだ。世には、色々な愛の形がある(-ー;



愛、自分たちの場合(笑):ダンナの部屋の照明器具はリモコンでベッドから消せる。自分の部屋のはリモコンが無い。よってベッドに入って本を読み眠くなると立って照明を消すのが面倒である。時々ダンナをリモコンにして消して貰う。これも一つの愛の形?照明を消してすぐ寝ろ、と言われるが自分にとり本を読むのは入眠儀式である。ダンナの場合は、アイスを食べることのようだ。否定しても、自室のゴミ箱にアイスの殻や棒が捨ててあるのですぐバレルよ(^_^;
食べて飲んで観て読んだコト-入眠儀式