パトリシア コーンウェル, 相原 真理子 神の手 (上)

パトリシア コーンウェル, 相原 真理子 神の手 (下)

検屍官ケイ・スカーペッタを主人公とするこのシリーズ14作目、毎年年末に新作が翻訳刊行されるのでお正月の楽しみにしている自分である。15年近く前に始めて出会ったこの美しく有能な主人公スカーペッタに魅惑されて、毎年購入し続けてきた。優雅で知的、美人でイタリア料理も得意なこの女性が、事件・事故の被害者の変わり果てた姿を解剖・検死するという取り合わせが、とても興味深くまたその扱われる猟奇的な事件の数々も夢中になるに足る面白いものだった。このキャリアのあるセレブな女性の恋愛やら、コンピューターの天才である姪のルーシーの活躍、個性的な刑事ピート・マリーノなど周りを取り巻く人間模様も面白かった。


長いシリーズだと登場人物は年を取り、小学生だったルーシーが魅力的な大人の女に成長し、スカーペッタも50歳代になったりするのは当然だ。しかし、何作目だったか、スカーペッタはいきなり若返ってしまった事があった。うーん、シリーズを続けるためには必要だったかも知れないが、なんとなくそれ以来しらけてしまったのも事実である(^_^; そして、登場人物たちも皆、人生の悩みを抱え、私生活では模索しながら不器用にたがいを傷つけあったりし、お話もちょっとうっとうしい。本作では、スカーペッタへのかなわぬ恋心を抱き続け新しい恋愛をうまく育てることのできないマリーノが特にうっとうしい。ルーシーの私生活上の悩みや病気、ぎくしゃくするスカーペッタとベントン・ウエズリーの仲も、なんだかなあ。仕事は超一流の人たちも私生活ではそれぞれ人生の問題を抱えてるというのも、当然だけどなんでこんなにみんなうっとうしいのか。きっと、長く付き合いすぎたからに違いない(笑)


サイコパスな犯人の恐ろしい犯罪や、検死から判明すること、微細な遺留物や、最新鋭の機器を駆使しての現場検証など、興味深いお話は相変わらず健在ではあるが、今年の年末新作が出ても買い続けるかどうかビミョー(^_^;



夕食:オムライス、サラダ

反省:睡眠不足。例のモノが佳境に入って・・(^_^;