アミューズ

新感覚スペイン料理の饗宴

レストラン「小笠原伯爵邸」 のスペイン人シェフ、ホセ・バラオナ・ビニェス氏のフェアがホテルロイトン札幌で開かれると聞き、期待を持って出向きました。近年、スペインでは高級レストラン「エルブリ」をはじめとして、先端を行く料理が話題となっているようです。串にさしたおつまみのピンチョスなども、流行しました。ホセシェフの料理も料理雑誌によく紹介される新しいものということで、興味があったのです。

ただ、たくさんのお客様を集めて、有名シェフがやって来て開催されるフェアとなると、シェフのお店では無い場所で慣れない厨房とスタッフでは、いつもの力量を出しえないことも多く、一抹の不安もありました。


しかし!今回のフェアはとても楽しめました。上の写真は(あまり良く撮れてないのですが)、アミューズの「小さいタパスの盛合わせ」です。見た目にも楽しく、食べて美味しいステキなアミューズでした。なかでも、写真手前のものは、「野菜のスパニッシュオムレツ」といいます。じゃがいもの入ったボリュームのあるスペイン伝統のオムレツを思い切りアレンジしたお洒落なもの。紫芋や人参、ビーツ、ハムなどがミルフィユのように繊細な層になっています。また、グラスの左にあるものは「エスカリバーダとフォアグラのトースト」エスカリバーダは焼き野菜、それとフォアグラのムースを重ねて、表面は砂糖をふって焼きカラメリゼしてあります。野菜とフォアグラの組合せもさることながら、カラメリゼしたカリカリと香ばしい甘味が絶妙に合いました。

肉料理 こちらは、「牛肉のテンプラニーニョワイン煮込み、ドライフルーツとナッツ風味」赤ワイン煮のテール肉とアプリコットのようなドライフルーツとヘーゼルナッツなどを編み脂で包んであります。スクエアなラインのソースはカシスのようなかなり酸味のあるもの。フルーツの甘酸っぱさで食べさせるものか。フルーツソース自体は珍しいわけでは無いけれど、酸味がかなり際立ったメリハリのある味わいのもの。


デザートの「ガトー・バスク」には甘口デザートワインのペドロ・ヒメネス・モンテアグードがものすごく合っていて、美味しさ倍増でした。


タパスの一つ一つから、他のお料理まで、いずれもはっとするもの、食べて美味しく、個性のあるものでした。若干お料理がぬるめだったり、というような事もありましたが、こういう形のフェアということを考えれば、まずまず良かったと思います。今まで、参加したフェアの中では一番満足したものでした。


食後テーブルを回って来たホセシェフはとても気さくな方で、日本語も堪能、「今日はこちらのスタッフがすごく頑張ってくれた」と気配りも忘れないステキな方でした。こういうお人柄も、フェア成功の一端かもしれませんね。

シェフ 気さくに記念撮影にも応じて下さった。


夕食:小さいタパスの盛合わせ~ガスパチョ、サバと林檎のシードルビネガー風味、エスカリバーダとフォアグラのトースト、野菜スパニッシュオムレツ、イベリコハムのサンドイッチ、ワカモレ

パエリャのクリームスープ

あんこうのコンフィ、アロス・アバンダ ロメスコソース

牛肉のテンプラニーニョワイン煮込み ドライフルーツとナッツ風味

ホワイトサングリア

ガトー・バスク、クレマカタラナ、キャラメルのアイスクリーム

コーヒー、パン

飲物:CodorniuCuvee Raventos, Rias Baixas Albarino 2003, Monte Toro Crianza 2000, Pedro Ximenez Monteagudo

デルガド・スレタペドロ・ヒメネス・モンテアグード 甘口シェリーのペドロ・ヒメネス

反省:お客様はご夫妻など大人のカップルの方も多く、ちょっといい感じ。ご同業の方もちらほら。皆さんがお席に行く通路の中程の角に位置するテーブルだったために、知り合いの方々とのご挨拶が続く。フレンチのシェフや人気ワインバーのオーナー、ホテルのそうそうたるシェフの方がたなど。しばし気の抜けないひと時(笑)