
とある街の、メインストリートを一本入った道沿いにあるこじんまりとしたカフェ。
静かなジャズのメロディが流れる店内には、使い込まれたカウンターとテーブルに、装飾物は窓際に置かれたグリーンと壁に掛けられた一枚の写真だけ。
それでも隅々まで掃除が行き届いた店内や、センスのいい食器やインテリアにバリスタのこだわりが見てとれて、ひそかなファンも多い。
そのカフェではカウンターの一番奥の席に座ろうとすると、バリスタがちらりと視線を投げてくる。
「おすすめのコーヒーは何ですか?」
「今日は雨だから… ラテ、ですかね」
この猫目のバリスタは、決して自分からお客さんに話しかけたりしないけれど、こちらから話しかけると懐っこい笑顔で優しく応えてくれるので、最近では街の女の子の間でも大人気だ。
「あの写真は?」
「あ~、昔の思い出です」

このお店には“閉店間際に天使が現れる”という噂があり、その天使は決まってこのカウンターの一番奥の席に座っているそうだ。
ある雨の夜、閉店時間が迫りバリスタが店じまいに取り掛かろうとした頃、店のチャイムが鳴る。
「…そろそろ来るかなって思ってたよ、ルハン」
ルハンと呼ばれた男の子は可愛らしい笑みを浮かべて、迷わずカウンターの一番奥の席に座る。
「本当はね、毎日でも来たいんだよ~?」
「いつものでいいの?」「うん」
こんな時間に訪れても、ここのバリスタは文句一つ言わずにコーヒーを淹れてくれる。
豆をローストした芳ばしい香りがあたりを包み、グラインダーで豆を挽くバリスタの真剣な横顔を見ながらルハンはご機嫌だ。

「イーシンのマフィンある?」
「レモンとホワイトチョコのだろ、後で包んどく」
「レモンとホワイトチョコのだろ、後で包んどく」
「僕のマフィンある?」
「別にお前のじゃないけど、胡桃のマフィンならある」それからは、自分が贔屓にしているサッカーチームの話だとか、
クリスの寝言が相変わらず何言ってるかわからないだとか、
タオのお風呂の誘いがしつこいだとか、いつも通りの取り留めのない会話。
クリスの寝言が相変わらず何言ってるかわからないだとか、
タオのお風呂の誘いがしつこいだとか、いつも通りの取り留めのない会話。
「そういえば、ラテアートは上達したの?」
にやにやと笑うルハン。
「うるさい。でもあれ、初めてにしては上出来だったろ?」
「そういえばさ、お前この店の“天使”って呼ばれてるよ」
テーブルを拭きながら、街で耳にした自分の店の噂を可笑しいよな、と言った風にバリスタが口にする。
「……ルハン?寝てる…」
いつの間にかカウンターで眠ってしまったルハンを見て、しょうがないなあとため息をつく。
どこからかブランケットを引っ張り出しルハンにかけてやる。
それから自分のために、とびきりのアメリカーノを淹れる。
「なんでこんなに苦いのかな…」
でもそれがアメリカーノの魅力だということも彼は知っている。つって、all妄想ハートウォーミングストーリーを乗せた俺の蒸気船が出港しますがよろしいか?!
前回記事
で、次はMAMAの記事を書くと堂々予告したんですけどね?
あまりにこのバリスタウミニ特集がツボすぎて…
それに、虚構98%をウリとするこのブログでは勝手にお話を展開して悶えるっていうセルフ萌えをどんどん推進してしていきたい!!(力説)
それに、虚構98%をウリとするこのブログでは勝手にお話を展開して悶えるっていうセルフ萌えをどんどん推進してしていきたい!!(力説)
完全に私とルハン得なお話ですよねぇ…
実はツイッターでもこの話の原型をぶん投げたんですけど、もっと掘り下げられる!という己の欲が爆発。
ちょこちょこ実際のエピソードやインタビューの内容も織り交ぜちゃったりね。
ちょこちょこ実際のエピソードやインタビューの内容も織り交ぜちゃったりね。
それでは今回は噂の“閉店間際の天使ちゃん”でさようなら~(^o^)/
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