2024年6月11日(火) はれ
新うつくしま百名山に数えられる明神ヶ岳。
昨年9月の無念の途中下山以来の挑戦です。
あんときゃ人の背丈ほどの草に阻まれて心が折れたもんで。
草が伸びる梅雨入り前に攻略せねば。
その山は会津盆地の南西部に位置します。
磐梯山ほどの抜きん出た独立峰ではないですが自宅からも確認できます。
わが家から見える全ての山に登頂するシリーズ、なんてのもいいかも。
登山口は大岩観音を目指すとわかりやすいです。
国道401号から集落を抜けて林道を走る。
登山口の前を横切るのは例の訳アリ大規模林道。
山行前にちょろっと攻めてみようかと思っていたんですが…。
一部工事通行止めでダンプが休みなく通っておりまして。
これは全線開通に向けて動いているのでしょうか。
ということでお楽しみは工期が終わる来月以降にしようかなと。
実は今日のコースで展望があるのはここだけなんですよね。
ではこれより山行開始。
「熊が出るから山には入るべからず」は地元民の共通認識でしょう。
日常すぎてニュースにもならないとか。
ここからは自己責任です。
毎度おなじみの熊撃退スプレー。
まだ一度も使ったことがない。その瞬間に果たして抜けるのか。
そしてヤブこぎ用に愛用の草刈り鎌。
熊との格闘時にも有効かどうかは試してみないとわかりません。
登山口から少し入ったところに大岩観音があります。
無事に下山できるようお参りしていきましょう。
会津三十三観音第二十七番札所・大岩観音。
観音堂が雪崩により破損したので今はトタンの仮堂です。
ご本尊はかの徳一大師が明神ヶ岳の桂の木から彫り出したそうです。
新緑の季節と言っていいのかな。
例年だと6月第1日曜日に山開きが行われるのですが今年はなしと。
これだけ熊の被害が騒がれていますからね。
登山者も減っているのでしょう。
いつどこから熊が現れてもおかしくない雰囲気です。
前後左右上下、目と耳と鼻で警戒しながら前進。
聞こえるのはウグイスとエゾハルゼミ(?)のセッション。
熊の鳴き声はどんなだろう。
昨年も苦労したヤブ。すでに登山道が埋もれつつあります。
山なんて人の手が入らないとすぐ野に還るのですな。
植林された杉の間を抜け。
コースアウトに注意。
案内看板も朽ちて埋もれていたりするので要注意です。
昨年リタイアした標高700m付近にさしかかる。
…ようやく理解しました。あのときは登山道を外れていたのだと。
道無き道を進もうとしていたのですね。これはバッドエンド。
いよいよ未体験ゾーン。
今度こそ真エンディングに到達できるのか。
植生が変わりブナの森に入ります。
ヤブこぎが終わると実に快適なコースです。
下界は30度を超える暑さだそうですね。
木々の間をときおり吹く風が心地よく感じられます。
アサギマダラがおるではないか。
長旅お疲れ様です。
狭間峠を抜けると豪快な白樺の倒木。
これより聖域という演出でしょうか。
ようやくたどり着きました。伊佐須美神社奥の院。
御神体イザナギ、イザナミの命はかつてはここに鎮座していたそうです。
この道のりは登山道であるとともに参道なんですね。
それにしても岩代国一之宮の奥宮としては慎ましすぎるというか。
もう地元でもほとんど忘れ去られた場所なのかもしれません。
奥宮から山頂までは200mの急登が続きます。
トラロープは下りで重宝します。
尾根に出ました。チラッと見えるのは柳津の里でしょうか。
山頂が見えてきました。
明神ヶ岳1074m、二度目の挑戦で登頂。
展望はありません。
この尾根が会津美里町と柳津町の境界のようです。
三角点の左側が会津美里町(旧高田町)、右側が柳津町。
今季初の山行でしたがトレーニングにはちょうどいいコースですね。
あとは来た道を戻るだけの簡単なお仕事です。
山行終了。観音様と伊佐須美様の御利益により無事に下山できました。
ちょうど入れ違いで巡礼団の方々とすれ違いました。
大岩観音にお参りですか。
全身フル装備ですね。やっぱり形から入るのは大事なことです。
昼メシにしましょう。
前回もおじゃました梅庵さん。
すっかりなじみのお店になりました。
通りすがりに目についてフラッと立ち寄ることはないであろうお店。
仙人みたいな蕎麦職人が出てきそうですが若くて気さくな店主さんです。
店主さんも覚えていてくれました。
熊にまつわるお話を色々うかがう。
やっぱりここいらの山に入ることは命がけなんだそうです。
せっかくなので伊佐須美神社にも詣でていきましょう。
奥の院を経由してきた参拝者は今日は私だけだろうな。
受付で「奥の院」の御朱印について尋ねたところ…。
「奥の院?………???」
…。
うーむ、奥の院をご存知ないということはないと思いたいのですが…。
「登拝」の御朱印を頂くことはかなわず。
兎にも角にも一回戦終了。
伊佐須美神社がここに移る前にあったのが明神ヶ岳。
その前が博士山。
そのまた前が御神楽岳。
伊佐須美神社の変遷をたどる旅はまだ始まったばかりです。