Scene no.3-24
start
目の前のテーブルに一本のワインボトルが置いてある。
デキャンターを傾けながら物思いにふける。
ワインを飲むには、二人がいい。 絶対だ。
そうお気に入りの誰かさんと一緒のときに限る。 絶対だ。
おひとりさまのときは、いたってシンプル・バーボンなのかもねっ
その仕草も可愛い。
「あっ!これいいかも!」
タカネは、右斜め45度の南南西28度の方位に吊り下げている
額に飾られたポートレイトを見上げお得意のすっとぼけは一目瞭然だった。
何故・・・、
それは、前日のマコトからの連絡だった。
「なぁ~っ!なにも言わずに土曜の昼に女性と会って欲しい、頼む!」
彼が珍しく携帯で懇願してきたので仕方無しに承諾した。
面倒なことは敢えて近寄らないのはタカネの主義だが・・・、
その日のタカネは、
タイミングよく仕事を抜け出しマコトとの待ち合わせ場所へと向かった。
先に来るのを待ち構えていたかのように
マコトは喫茶店のカウンターの端の席に座っていた。
隣にネイビィーのブレザーを着たOLらしき若い女性が座っている。
席を替えタカネは、ウェイターにコフィーを頼んだ。
「紹介するねっ、こちら耀子さんです。こちらの方は、タカネさんです。」
「ってことで、じゃぁヨロシク!」
そう言って軽い紹介を済ませ、マコトは一礼をして席を離れていった。
「・・・?」 & 「・・・!」
初対面の見知らぬ同士、若い男と若い女は互いに顔を見合わせている。
一見して 美人なのだろう・・・、
ぎこちなさを感じながら・・・、
当然、行司の姿は見えなくなり、塩を播く必要もなく、
軍配が返ったように、いい勝負だ! (確実にノコってます。何が・・・?)
カウンター越しの桟敷席に鎮座している審判団の視線も感じらる。
不思議な沈黙が時を過ぎる・・・。
― 空は青く澄み渡り ちぎれたような雲が浮かんでいる。
生暖かい風がそよぐ 穏やかな湖の畔で 波間に浮かぶ 一艘のボート、
見詰め合う二人が乗っている。
会話なんて必要ないのかも・・・、
オールは どちらも握っていなかった。
ただ 静寂だけが 時を揺らす。―
見詰め合う二人の時間が続いた。
違和感はなく・・・、
彼女は・・・、
素顔のままだった・・・。
女性の期待度 予め 0パーセント。
会話もまったく弾むこともなく、当然の如く水入りのマッタが掛かった。
マコトが、「話、終わりましたか!」
「う~んっ」 返事とも答えともつかない彼女の声が聞こえた。
すかさずマコトは、「それじゃ~また次ってことで・・」と、
その女性はマコトに促されたかのように直ぐに席を立ち去った。
マコトは右手の平を垂直に立てタカネに告げた。
「ご・め・ん」
その言葉でタカネは了解することにして、
「これボクで何人目なの?」
マコトは、指を三本立てた後、人差し指を唇の前に当てた。
その女性が帰った後に申し訳なさそうなマコトの表情がうかがい知れた。
奇妙なパーティーは、ものの30分ほどでFin。
それで終わりの・・・、はずだったが、
翌日、早々に玲子から連絡が入った。
その一部始終を彼女の友達に目撃されていたようだった・・・。
彼女のいるとおぼしき場所へ向かった・・・。
やっぱ・・・、
人生は・・・、
ライブ映像の『劇画』らしい・・・。 (・・・ニンマリ・・・@.com 笑)
・・・つづく

