農村哲学 | アトリエ・フロール(株)写眞研究課

アトリエ・フロール(株)写眞研究課

写真家・花井雄也がお送りする、写真ブログ。商品写真から赤外線写真・ピンホールカメラなどマニアックな写真まで、多様な作品を掲載しています。
※当ブログ内の写真は無断転用・無断使用禁止です。

ひなびた、古い村。
ここは、東京から車で2時間の山梨の或る村。
少し歩いてみたが、人は見かけない。


あるのは古びた家々と田畑のみ。
鈍色の雲と山から吹く、冷えた空気が一層寂しさを掻き立てる。
唯一、刈り取られた稲穂だけが人の気配を感じさせている。

アトリエ・フロール(株) 写眞研究課 


アトリエ・フロール(株) 写眞研究課 


アトリエ・フロール(株) 写眞研究課 


ここには静かな時間が流れているが、
湿気を帯びた、山からの風が、文明を少しずつ削り取って行き、やがては土に還る。


そしてまた、そこへ人がやってきて、家や畑や家族を作る。そしてまた土へ還って行く。
いったい何度、繰り返されたか判らないが、人と自然のせめぎ合いが綿々と繰り返される。
このひなびた村も、都会もそうした時間の流れの中で、産まれては朽ちて無に還って行くのだ。


アトリエ・フロール(株) 写眞研究課 


朽ちて行く物は寂しさを感じさせるが、ファインダーを通して見つめていると、
これらはまだ成長しているかのようにも見えてくる。寂しさの中も暖かさを感じた。
おそらく朽ちて行くときは無に向かってまだ成長していて、何もなくなる頃には、次の生が芽吹いているからなのだろう。


朽ちる寸前は、美しい。


アトリエ・フロール(株) 写眞研究課 


人も、文明も、自然も、そうした輪廻の中では、ほんの一つの細胞のような物で、
だからこそ、流れに逆らってはならず、次の世代の肥やしにならなければならない。
私は、そうした生き方をしたいと思う。


ひなびた村で、少し心を洗われた。



アトリエ・フロール(株) 写眞研究課 

                       ペタしてね