ナースチャ「まあ、ここがラークさんの新しいオフィスなのねびっくり

リモートでの会話で、お話は聞いていたし、室内の様子も少し見えてはいたけれど、初めて入ったわおねがい

ナースチャ「…広々として、素敵なお部屋。私が旅立つ前には、ラークさんはいつも、納屋の片隅の暗い机で、事務作業をしていたのに。
私がP市に行っている間、ここは何も変わらないと思っていたのに、知らないうちに、色々なことが、少しずつ変わっていたのねおやすみ
クックちゃんも、ロビンちゃんの為にカフェを作ったし、マレットちゃんも来ていたわ。
キングフィッシャー夫人は、子供たちや、娘のアイビスさんの為に、何かを作ったり、用意したりしている時間、トチーちゃんたちとお話ししている時間が、とても増えていたわ。
ラークさんは、海外にまで、販路や事業を広げていた。そしてその海外のコーヒー農園の方も、徐々にだけれど、軌道に乗り始めている」

ラーク「うん、そうなんだ。だからナースチャ、君も全く遠慮しないで、どんどんP市を拠点に、活躍してっていいんだよ。
僕は君と婚約する前から、君のデザイナーになる夢を知っていたし、最初から、君に農業をさせるつもりはなかったんだ。
君の仕事に不可欠な『鏡』が苦手な、クックちゃんやロビンちゃんも、姪のマレットも、君に母親役を押し付けるつもりで引き取ったんじゃない。最初から、僕一人でも、見るつもりでいたんだ。
農場の方も、一生懸命働いてくれている、従業員の方々がいるしねニコニコ
ナースチャ「でも、…私は私で、いつかここで、ラークさんと一緒に農作業をしてゆくつもりで、ラークさんに告白したのよ。
クックちゃんやロビンちゃんのママになるつもりでもいたし、その時には、今ある鏡を全て、処分してしまわなくてはとも、考えていたわ」

ラーク「ああ、解ってる。それならそれでも、僕は嬉しいし、構わないんだ。
でも、それでは、君の折角のデザイナーの才能は生かせないし、P市で学んだことも、培った人脈も活かせない。勿体ないとも、僕は思ってる。
恐らくだけど、バルバラがモデルを務めたあの雑誌の写真、あれで、君のデザイナーとしての名は、世界中に知れ渡るだろう」

ナースチャ「まあ。そんな…
ほ、本当にそう思って?ラークさんは…驚きハート

ラーク「うん。君が携帯に送ってくれた、バルバラの写真を見て、僕はすぐそう思った。…僕も、ほんの暫くの間だけだけど、P市で生活していたからね。
君は卒業後も、拠点はP市に置いて、デザイナーとして、世界で活躍すべきだ。僕はいつも、ここにいるから。
そして僕自身も、仕事でP市やその近隣諸国に行く際には、いつでもナースチャを、訪ねて行くし、君に何かあれば、世界の果てからでも、君のところに駆けつけるからほんわか

ナースチャ「ラークさん…びっくりキラキラ

ラーク「だからナースチャ、君は君の成功を、決して恐れてはいけないよ。
僕らは夫婦でありながら、別々の仕事を持っていて、年間の多くを、離れた場所で暮らす、不思議な夫婦になるだろうけど…
バミューダーさんと幽子先輩だって、そうしているのだからねニコニコハート
ナースチャ「ああ、有り難う、ラークさんえーんハート
私、私ね。本当言うと…ラークさんには、解っていたかもしれないけど…正月休みが明けるのが、とっても怖かったのよ。
バルバラをモデルにしてファッション誌に載ったあのドレスが、大失敗するのも見るのが怖いし、逆に成功したとしても、代わりに、大切な何かを失くしてしまいそうに思えて…ぐすん
もう、怖がらないわ。ラークさんや子供たちと同じように、私も勇気を持って、現実に踏み込んでゆくわね。
私たちは何処にいても夫婦で、愛情で結ばれているのですものねほんわかドキドキ

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皆様、温かくして、良い新年を迎えましょうねにっこり門松