西洋占星術の考えでは、春分を境に新年が始まります。太陽が牡羊座に来たタイミングから、新しい1年が始まるのです。春分図に1年の出来事が凝縮されているといわれています。

 

先日、冬至のホロスコープについて投稿したばかりですが、春分図を読んでいるとどうしても記事を書きたくなってしまいました。かなりフライングですが、来年の話をしたいと思います。冬至図についての記事(以下にリンクがあります)と合わせて読むと、一つのストーリーが見えてくるかもしれません。

 

・政治の大きな変化

政治的な変化がありそうな感じがします。議会を表す場(第11ハウス)に木星と天王星が来ています。正確な角度ではありませんが、重なっています。合という座相を形成しているのです。これは政治的な変化を表します。この変化が顕在化し始めるのはおそらく4月以降です。このことについては、以下の記事に書いていますので、詳細は割愛します。

 

 

重要なのは、春分図では議会を表す場に木星と天王星が重なる様に存在していることです。政治の動乱の予兆です。

 

さらに、牡牛座にこの二つの惑星が来ています。牡牛座は富を表し、金融の象徴でもあります。したがって、金融とこの政治的な変化がどう関わるか、非常に興味があります。

 

ただし、天王星は牡牛座が苦手です。天王星は変化をもたらしますが、そのレベルが下がってしまうと想定できます。しかし、木星という拡大の惑星と合なので、天王星が力を発揮する環境は整っているように思えます。天王星は自由、平等、民主主義の象徴なので、この政治的な変化はこれまで抑圧されてきた一般市民にとって良い方向に進むきっかけになるかもしれません。

 

金融のシステムに政治的な変化がどう関わり、どう影響を与えるか、これがまず2024年の春分以降の社会の動向を握るカギになるのではないでしょうか。

 

・国家のリーダーについて

太陽は権力者を表しますが、まさに権力者を象徴する場に太陽が来ます(第10ハウス)。とても権力者の存在感が強調されるように思われます。しかも、民衆を表す月と少し誤差はありますがトライン(120度)という大吉の角度をとっており、民衆から支持されることが暗示されています。これは、2023年の冬至図にもあった角度です。以下、参照してください。

 

 

 

ただ、太陽が海王星と重なっていることが気になります。海王星は凶星であり、太陽に対しネガティブな「色合い」を与えると思われます。海王星の象意にはペテンや詐欺という意味合いがあります。ここから、太陽に象徴される権力者の背後には詐欺師のような存在がいることがわかります。そのため、この権力者は人々を騙す傾向があると分かります。民衆をペテンの罠にはめる指導者の登場が示唆されているのです。

重要な点は、マス・メディアとこの指導者が結託することも同時に暗示されていることです。というのは、海王星はメディアの象徴だからです。

 

したがって、一般市民からの人気を集める指導者が登場した時、我々は気を付けなければなりません。

 

・一般市民について

一般市民を象徴するのは月です。ホロスコープの示す限り、かなり厳しい状況になるでしょう。病気が流行ったり、不安定になったり、不満が強まったりするかもしれません。

 

月は冥王星と衝(180度)の角度を作ります。春分の時、冥王星は水瓶座に入っています。また逆行しますが、新しい時代の幕開けを象徴する配置です。

 

冥王星がいるのは対外関係を示す場(第7ハウス)です。冥王星は暴力、大変革(すべてを無にし一から再興するというレベルの変化)、破壊を表します。気味悪い配置です。

 

また、冥王星は見えない所から人をコントロールするという意味合いもあります。月と衝を作っていることから、民衆がコントロールされる、支配されるという意味合いを解釈できます。冥王星が示す支配者に民衆の行動が妨げられることが暗示されています。しかもこの支配者は、太陽が示すリーダーと手を結ぶ可能性があります。

 

先述のように、冥王星が示す支配者は対外関係を表す場にいます。また、この支配者は民衆の行動を妨げます。民衆が変化を起こそうとすると、妨害するのです。ただ、気が付かれないようにです。おそらく、対外的な危機を民衆に示すことで、民衆の意志を挫くのではないでしょうか。

 

同時に、民衆は(太陽が示す)リーダーを支持します。この人に希望を見出すかもしれません。しかし、このリーダーは(冥王星が示す)民衆の行動を妨げる支配者と協力関係にあり、彼らをペテンにかけようとします。一言でいえば、民衆は権力者に騙され、新たな社会を作ろうと行動したくても、足を引っ張られるのです。水瓶座の時代に向け、人々は変化しようとします。でも、権力者の罠により、その行動が妨げられてしまうかもしれません。

 

でも、月が冥王星と衝であることは、支配者に対抗する力を市民が持っていることでもあります。悪い角度だからこそ、そこから抜け出そうと努力するからです。だから、来年を境に、人々は変化しようとするでしょう。しかし、怖いのは良い角度です。太陽が示すリーダーは一見すると理想的で、民衆の仲間に見えてしまうかもしれません。でも、この人こそ危険なのです。

 

最後に、火星が死や死亡率を表す場(第8ハウス)に来ています。ここから、非常に悲惨な出来事が起こる可能性が示唆されています。事件、事故、犯罪などにより命を失う人が多くなるかもしれません。兵士の死者数が増えると解釈することもできます。いずれの場合も、命を大切にすることを改めて考える出来事に直面するでしょう。

 

・まとめ

2024年は冥王星が水瓶座に入る年です。大きな変化が起こる兆候に溢れる一年になるのではないかと思います。確かに、非常に厳しい年になるでしょう。しかし、ここから善き方向へと進むきっかけを掴むことができる可能性があります。2023年もあと少し。来年をどのような年にするか、改めて考えてみるといいかもしれません。最後までお読みくださり、ありがとうございました。

 

参考文献

The Annotated Raphael's Mundane Astrology (2013 Edition) by Anthony Louis