今回は、「かいよう病」と「そうか病」を取り上げたいと思います。

それぞれ、主に柑橘類に感染しやすく市販の薬剤などの対策が必要です。



かいよう病は、「かいよう病菌」により引き起こされる柑橘類の病気で、世界の最培地で多く発生している。柑橘における最重要病害のひとつである。果実、葉、枝などに発生し、被害果実の商品価値を低下させて、多発すると落葉や枝枯れ、樹勢の著しい低下を招く場合がある。


〈被害〉
果実、葉、枝に褐色の病斑を形成する。病斑は最初盛り上がった濃緑色の水浸状円形で、拡大するとともに頂部にザクロ状の亀裂が生じて、中央部から次第にコルク化する。
葉が成熟する頃には直径2〜5ミリになり、葉の周縁は幅1〜2ミリが黄色になる。
春葉の展開開始期から発病し、その伝染源は、越冬病斑である。病原菌は雨によって飛散し、さらに感染を拡げる。病原菌の侵入は、伸長、肥大期には主として気孔からで、初夏以降は風やミカンハモグリガなどによってできた傷口から侵入する。



カンキツかいよう病の病斑



ミカンハモグリガ

〈生態〉
カンキツかいよう病菌は、短棹状の細菌で大きさは1.5〜2.0um。一本の鞭毛を有する。好気性でグラム陰性。発病適温は20〜30℃。

防除としては、防風垣、防風樹などの対策を行う。特に抵抗性の少ない品種に対しては風当たりの少ない地形を選定する。
●ミカンハモグリガを防除する。
●雨よけ栽培を行う、など…。

おつぎは…。

そうか病です。
様々な植物で、「そうか病」と呼ばれる病気がありますが、植物によって病因菌は異なります。
じゃがいも、にんじん、だいこんなど、可食部が痘痕状になる「そうか病」は放線菌によるもので土壌感染します。一方、みかんの実が、痘痕状になる「そうか病」は糸状菌によるもので、梅雨時の雨水などで感染が広がります。



被害症状、「そうか」とは「痘痕(あばた)」のこと。柑橘類の実やジャガイモのイモに、痘痕状の病斑ができるのが特徴です。

生態は、柑橘や落花生のそうか病は「糸状菌」、ジャガイモやにんじんなどのそうか病は「放線菌」とそれぞれ病原菌が異なります。
糸状菌が原因のそうか病は梅雨時や雨の多い初夏に発生しやすいです。放線菌のそうか病は植え付けの時点で感染が始まります。
特に放線菌のそうか病はアルカリ土壌で発生が助長されるのが特徴ですので、ジャガイモを植え付ける時は
土壌酸度を確認しておくと良いでしょう。

防除方法、かんきつのそうか病の場合は、前年に発症した株では越冬病葉が次年度の発生源となるので、
発生した葉はなるべく切り落とすようにします。
また苗木もしくは成木であったとしても、新葉が多く出てくると、発症しやすい傾向があります。
ジャガイモのそうか病はいわゆる連作障害の一種で、
前年には発症が見られた畑にでは翌年も出やすくなります。
また土壌酸度がアルカリに傾いてると、発生が助長されます。
野菜を育てる場合、植え付け時に石灰を混ぜ込んで
土壌酸度を調整することが多いですが、ジャガイモに関しては、石灰の施用については注意する必要があります。


両方とも、有効薬剤は「サンボルドー水和剤」です。