籍を入れないことです。

なんの保証もありません。

口約束だけ。

私たちに横たわっているのは、それだけです。

 

それでいいのかというと。

いいとは言い切れないけれど。

私たちにとっての選択肢はそれしかなかったから。

 

この先のことはわからないけれど。

結婚式をして。

一緒にいると誓いました。

 

それはけじめというよりも。

イベントのようでいて。

私は時々思い出すのですが。

あの時の夫さんはもういません。

 

隣にいることが当たり前になっていて。

私のことが必要だと言葉で伝えてくれなくなりました。

 

本当はとても寂しいけれど。

寂しいなんて伝えたところで。

夫さんの行動が変わるなんて思いません。

 

私は夫さんのことが大好きで。

ただ、それだけでも伝わればいいと思っています。

 

それでも。

やっぱり私は夫さんのことが大好きだから。

大好きだと言葉や態度で伝えて欲しいと思うのは欲張りなのでしょうか。

 

「何が不満なの?」と先日聞かれました。

不満なんじゃなくて、不安なの。

 

そういうことを後から分かって。

 

手に入れられたことに対して。

私は必要とされなくなったような気がして。

 

夫さんが私を抱かなくなって。

月に一度の旅行だけになって。

 

夫さんが私に言ったことはすっかり忘れて。

「あのね、毎月旅行に行くからって、それ以外はエッチしないとか

デートしないとかなんて言わせないからね。」 といつもの涼しい顔で言ったのは

随分と前のことになってしまって。

 

そうやって夫さんは。

人の気持ちは変化していくものだけれど。

 

そんな切なさなんて。

きっと届かない。

 

わたしがどんな風にあなたのことを想っているとか。

恋い焦がれているとかなんて。

 

3年も過ぎてしまえば。

当たり前のように一緒にいて。

そうやって。

恋人のような甘い時間から。

求められていた形が変化して。

 

私への興味を失って。

逃げてしまうことの不安など持たずに。

そうやって。

側に置いておくだけの私になってしまうのでしょうか。

 

僕は変わらない。と言っているけれど。

実際は、変わっているのに。

 

私は上手に言葉で伝えられなくて。

伝えようとしても受け止めてもらえなくなっていて。

 

どうにもこうにも。

切なさと苦しさが入り混じる。

 

夫さんとデートすれば。

何事もなかったように。

僕の隣にいるのが当たり前のように。

いつもキスをして。

手を繋ぐけれど。

 

そうやって。

不安でいっぱいになってしまったら。

私は隣にいる自信を失って。

 

夫さんにいつか。

自分から「さようなら」を伝えることになるのだと思っている。

 

それは私が変わったのではなく。

夫さんの変化だから。

 

それでもきっと夫さんは。

心変わりしたのは君の方だよ。と冷静にいうことだろう。

 

それでも私は夫さんのことを好きになり。

きっと好きなまま別れを告げることになるだろうと。

今から想像してしまう。

 

その前に。

お願いだから。

私をぐるぐる巻きにしたままに。

手を離さないで。

心を離さないで。

 

お願いだから。

私から離れてしまわないでと。

 

声にならない想いを内に秘める。