お子さんが迷子になったことありますか?

わたしはあります。空港の混雑したロビーで。おもちゃ売り場で、混雑した海水浴場で。
ふと目を離したすきに。

ああ、どうしよう。迷子放送をお願いしながら、最悪の事態がいつもよぎって、
わたしはとても怖かった。

もっと大きくなって遅くなるまで遊んだりするようになると、暗くなっても帰ってこないことが恐ろしくて、外をふらふら探し回った。

自分からちゃんと出てきたり、そのあとすぐ帰ってきたり、子どもは、いなくなっても出てくるものだった。

今も、いない、いない、どうしよう、
見つけなきゃ、守らなきゃと警報が鳴り続けていて、
死んだんだから返事がないんだよ、帰ってはこないんだよ、と、頭の中の冷たい声がそう言っても、
そんなはずない、ちゃんといつも見つかったと、記憶がその証拠を差し出す。

もう帰ってこない。
わかっているけど、非常事態の警報が鳴り続けて、わたしは立ち尽くす。