月末の調整で仕事が連休だった。家族みんなで出かけたい、前からそう言っておいたので、朝、揃ったところで動物園に行くことになった。
ベビーカー、抱っこ紐、手をつないで。
そんな昔のお出かけを思い出して、
「みんなで」の幻想があった気がする。
いい大人がぞろぞろ4人で統一行動を取ることは難しく、何となく2人ずつになったり、1人が別行動になったり。
小さい子どもがいないとそんなもんだ。
だいたい子ども2人は、親の感傷なぞ、知りはしないだろう。自分が幼い頃のお出かけの記憶なんか、よく覚えてないし、懐かしくもないのかもしれない。
それでも、私はちょろちょろいつも興味のおもむくまま走りがちだった次男を思い出す。三男のA型の大きなベビーカーに一緒に乗りたがった次男を、動物に飽きて遊具のコーナーに走っていった次男を思い出す。お土産コーナーでいつまでもだだをこねた次男を思い出す。
でも今日はずっと静かに私と一緒に回った。
バッグには次男のシンプルなお位牌を入れていたから。
動物の蘊蓄を語る長男、マイペースで自分の好みで見て回る三男、夫。
ふと1人になって見回すと、今日は日曜日で、鳥や動物の鳴き声と区別のつかない小さい子らの歓声や、動物博士みたいに何やら語る小学生や、そっくりな兄弟や、孫連れで嬉しそうな同年代や、みんなが避けてくれると信じて全速力で走り回るわんぱく坊主ら。
そんな、ふだん見たくもないものばかりに囲まれているのだった。
帰りの車で、三人の子どもたちが疲れ果てて、振り返れば後部座席で全員妙なかっこうで眠りこけていた、そんな時代は、とっくに過ぎ去っていたんだなあと、そんな虚しさが残った。
日曜に仕事が休みなのは久しぶりだと舞い上がって、世間も日曜日ということを、甘く見ていたなあ。