私は12年前に独立・起業したのですが、それまでは、とある話し方教室の講師だった。
その教室であがりを克服させていただいた恩義から、週に3回は講座のお手伝いに行っていた。
その先生に、ある日突然、
「今日限りで辞めてください。あなたの担当の生徒も一緒に連れて」。
先生とその家族の個人的な事情、いわゆるお家騒動に巻き込まれたのだった。
「ただし、僕の講座名とテキストは今後一切使わないで。「あがり症」という言葉も、使わないこと」。
愕然とした。
来週には、自分の担当の授業がある。
一週間でテキストを作った。
生徒さんや取引先には本当のことを言えず、ただただ謝罪した。
先生の名誉のために、誰にも真実を言わずに、長年お世話になった教室を去ることになった。
のちに知ったことですが、私が勝手に独立したことになっていたらしい。
辛かったけど、恨んでも仕方ない。
とにかく前を向いた。
やがて、
「あんなにみんなのために頑張っていた鳥谷さんが、自分勝手に独立するはずがない」
という声が上がり、事情を聞きに来てくれる生徒さんが出てきた。
何も言えない私の思いを察し、黙って付いてきてくれた生徒さん、
四面楚歌状態だった私に、手を差し伸べてくれる人もたくさんいた。
カルチャースクールへの営業、ビラ配り。
どんな小さな仕事でも頑張った。
地道に活動していくうちに、最初は数人だった生徒さんが、口コミなどで徐々に増え、
2年目には、前いた組織より大きくなっていた。
風の噂で、その団体は数年後に衰退してしまったと聞いた。
正直、あのときバッサリ切ってくれて良かったと、今では感謝している。
あのままいたら、今のような展開はなかったから。
今が一番幸せ。
責任は重いけど、自由に好きなことができる。
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長年一緒にやってきたスタッフ(メンバー)や生徒さん(ファン)より大事なものなどない。
最初は仕事が減ったとしても、感謝の気持ちと信念があれば、這い上がれる。
私の体験談です。
頑張れ、4人。応援しています。