結婚し、子どもが出来て
ワタシはワタシでなくなった
ワタシという人間を そっとしまい込み
主婦・妻・母としての役目をまっとうした
++++ここまで
結婚、出産から15年
この15年
ワタシは上に書いたような思いを
ずーーーーーっと
胸にいだいていた
外に出れば
ルナのママ
メイのママ
コアのママ
シゲ(旦那さん)の嫁
一体ワタシは誰なの?
ワタシをこの世から消したのは
環境だと思っていた
制度がそうさせていると思っていた
世の中全体がそうさせたのだと思っていた
だけど違う
ワタシという人間をこの世から消したのは
他でもない
このワタシだ
ワタシがワタシをこの世の中から
消し去ったんだ
現在
ワタシはワタシを取り戻している
1年かけて
そこら中に散らかった
ワタシの破片を
ひとつひとつ拾い上げる作業をしてきた
ワタシの破片は
ワタシの記憶
はるか昔の
記憶の断片
ワタシは何が好きで
何が嫌いで
どんな所に行きたくて
どんな匂いが嫌いで…
こういう音楽が好きで
嫌いなテレビはこういうので
どんなに細かいことでも
他人にとってはどうでも良いようなことでも
ひとつひとつ丁寧に
拾い上げてきた
今現在
ワタシはワタシを取り戻したけれど
それは別に
主婦・妻・母をやめたのではなく
その3つの上にしっかりワタシを座らせてあげた感じ
それまでは
この3つの下に小さく丸まって
ワタシという存在をしまい込んでいたから
自分という人間を一番上にしないで
幸せだと言える?
自分の全ての感情
喜び
怒り
悲しみ
苦しみ
迷い
・
・
・
それらは
一番上に置いてあげなくてはいけないんだよ
過去のワタシが
今のワタシに そう叫んでる
今は
主婦としてではなく
ワタシとして何を感じるのか
ママとしてではなく
ワタシがどう子どもと向き合いたいのか
妻としてではなく
ワタシがシゲとどう付き合いたいのか
主婦、妻、母の殻はようやく破られ
むき出しになったワタシは
ワタシという人間のまま
世の中に降り立った
15年ぶりの独り立ち
いや、独りでは決してない
15年前にはいなかった
家族が
信頼できる
友が
いるのだから
ワタシがワタシを取り戻す道のりは
決して楽しいものではなかった
見たくない記憶が蘇ることもあり
時にそれはとても辛く厳しいものだった
ワタシがワタシを思い出す
大好きな人がそう言った
本当にそう思う
Remember Me...
ワタシがこの世の中に誕生して一番喜んでいるのは
親でもなく
子どもたちでもなく
主人でもなく
ワタシ自身
だから
44歳になった日
ワタシがワタシに
「産まれてきてくれてありがとう」
そう伝えた
ワタシというこのカラダを借りて
この素晴らしい地球に降り立ってくれて
ステキな今を見せてくれて
「ありがとう」
職業は
ワタシだ
ワタシがワタシを生きるってそういうこと
ワタシが一番ワタシを大事にし
優しくしてあげて
愛情をたっぷりかけてあげるからね