この話は1970年の8月8日に始まり、
18日後、つまり同じ年の8月26日に終わる。
村上春樹 『 風の歌を聴け 』
“ 五月雨は緑色 ”
梅雨の雨を、そんな美しい言の葉で紡いだやさしい人は、
あの6月の日にひとりそっと風になった。
あれから春夏秋冬16回廻った2015年 水張月 とある日曜日のこと
4階建てビル 3階エレベーター向かいにて
日曜の朝だというのに …
OPEN前から献血ルームの入り口ドアは、
順番待ちの人だかりで見えないほどだった。
やれやれ
これだと僕の順番はいつになるだろう
僕は手にした読みかけの中編小説を、
ここを出る頃にはほぼ読み終えているだろうなと思い、
帰りに新しい小説を探しにゆこうかとも思った。
僕と時を同じくしている待ち人の幾人かは、
手にした薄くて四角の電子機器上で、
何ごとか不明な動きで指をせわしなく動かしている。
僕は手にした文庫を親指でぱららとめくる。
うん きっと …
“ ここを出る頃には読み終えてるだろうな ”
僕は紙面の言の葉をこころで拾いながら、
五月雨は緑色と歌った人のことを思っていた。
その帰り いつものshiptonで いつものひと時
この日は水耕栽培用のきれいなガラスの瓶をget
透きとおったそれを見ていると、
幼少の砌に親しんだヒヤシンスの水耕栽培を思い出し楽しくなる
さて 何をそだてよう
今日は梅雨の中休み
露草色に透きとおった青空も嬉しそう
開放された入り口に立つと潤んだいい風が入ってきてる
オートバイで疾走るにはとても気持ちいい日だな…
並べられた素敵ななアクセサリー一つひとつと会話
波長の合うこはいるかな …
んっ このこ
コバルトブルーの海の色を吸い込んだみたいに綺麗
買おうかな …
そろそろ帰りますか
その前に … ちょと お参りして
しっとりと霊気につつまれた境内を横切り、
明るさのトーンが他より2段ほど下がった、
うす明かりを湛えた山道入り口の鳥居まで歩きます。
んっ?
空色のあじさいのそばに夏色のとんぼ
見てるとふっと消えて …
あれっ
消えたあたりに目を凝らすと、
小さな夏色のあじさいがポツンと咲いてた
昨年ここで出会った子ねこたちは元気だろうか
また逢えたらいいな
きっと半世紀をゆうに超えて佇む老いさらばえた兵士
蚊にかまれて痒くなった手を冷やそうっと
老いさらばえた老兵の左手をガシャコンガシャコンってすると、
右手に携えた五二式自動小銃から冷たい水が!
うん ひゃっこい
さてと そろそろ …
今週は疾走れるといいな
明日 6月24日は、
伊佐美のウーロン割りをのむ日
五月雨は緑色と歌った故人を偲んで、
毎年その日は氏の好きだったそれを口にするのです
おいしい烏龍茶を買わないとね
孝蔵さん いつか会いにいきますから
それまで 待っていてください
「 風が吹けば きみが揺れる 影がゆれる 」
~ f i n










