花見月 晴れ たおやかな撫子色の風
日曜 ぽかぽか陽気 さくらほころぶっぽい
僕は小さな港町をcamera散歩な気分だったので
身に纏うだけで何だか心まで軽くなるような
淡いピンク色のスプリングコートを羽織った
やさしくそよぐ風はひかりにあふれ
コートの裾を嬉しそうにはためかせるだろう
今日はたくさん歩くから …
足もともスニーカーのほうがいいね
僕は大切なmaccheronianを履いて
丁寧に靴ひもをむすんでゆく
そうしてcameraを忍ばせた鞄を手に
うららかな春の陽ざしの中へと飛び出していった
露草色のそらから降りそそぐひかりは
地上のあらゆるものに張りついてゆき …
小さな港町へと向かう車のなかで僕は
眩しそうにうっとりと目を細め
光に霞んだ白い世界を見つめていた
こんにちは
挨拶をした僕にちいさな姉が元気な挨拶
遅れて姉の背なからちいさな妹が
僕を見あげはずかしそうに声を出す
… こんにちは
この小さな港町を歩くとき
路地や民家ののそこかしこで
多くの色鮮やかな花を見ることができる
町の人たちの生活にいつも
花がそっと寄り添っているのだろう
ひとのこころの豊かさに出逢える町
さてと いきますか
女の子の指さす先には … きっと
やさしい色をした花が咲いているんだろうな
ゆっくりおおきくなって
たくさんの花に出逢えますように
花に手足があったなら
きっとゴミを拾っているだろう
やさしい花のことだから
ゴミを拾って生きてゆくだろう
ふわふわした光の中
僕は山の手へとつづく坂を歩いてゆく
この町で“ 祇園さん ”と呼ばれる
『 沼名前(ぬなくま)神社 』の鳥居が見えてきた
ここの匂やかなさくらはどんな様子だろうか
あっ 咲いてる
うららかな春のそらに
いまにも爆ぜそうな蕾のさくら花火
もうすぐ可憐な花を幾重にも咲かせるね
本殿への階段をゆっくり上ってゆく
何段あるんだろう …
ちょっと数えてみますか
僕がこころの中で数えながら上っていると
んっ?
乙女たちが大きな声で石段を数えながら
僕をぐっと追い越していった
なるほど 〇〇〇段だね
ありがとう 見知らぬお嬢さん
観光地となって久しいこの町の
あまり触れられることのない史実
美しい景観に溶け込むよう
かつて刻まれた戦争の名残りが
モニュメントとして鎮座ましましている
錆びつき抜け殻となったモノ
その無機質な骸を苔が被っており
どこかギーガーの描く有機体のようだ
いまはただ …
かつての忌まわしい記憶の底に横たわり
二度と目覚めることなく眠っている
遠き未来の果てまで眠るモノよ
僕はあなたのことを決して忘れはしないから
だから … ゆっくりおやすみ …
To Be Continued ♪ →
次回
見知らぬ町を
ひとり歩いたら
風は空から 花びら散らす











