冬は寒くとても冷たい季節だけれど
澄んだ空は青く、流るる雲は端正だったので
ひんやりした朝風をまとい僕は走りだした
首から提げたcameraには
15mm f8 固定のボディキャップレンズを装着
極薄のピントを追い込む撮影が好きだけど
今日はパンフォーカスで気ままにスナップ
Run ときどき camera
そんな
ゆるゆる気分な冬の朝
いたた
昨年の事故したころから走ってなかったもんね
ぼちぼち いきますか
移ろいゆく冬の美空は縹( はなだ )色
映しとった水鏡はいたずらなさざ波で
ぼんやり虚ろにお化粧直し
土手に座り河川敷を眺めちょっと休憩
KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8
… を使ってみたいな
うん いい汗かいたな
そろそろ戻りますか
帰宅した僕は車に乗り換え
朝ごはんを食べにちょっとそこまで
そうしてやってきたのはいつもの
瀬戸内の小さな港町 鞆の浦
常夜灯すぐそば
@cafe( アカフェ )さんの朝ごはんを求めて
ちょっと時間早くてまだ開いてないね …
ベンチに座って待ちますか
あっ
僕はぽかぽかした太陽に温められた雁木に腰をおろし
凪の海面( うなも )をうっとりと眺めます
波間にたゆたう小舟たちも
ねむそうな顔でぷかぷかゆれてる
沖合いを航行している玩具の船が
きらきら瞬く星をしきつめた海面( うなも )に
V字の航跡を描きながら進んでる
V字はさいしょ小さかったけれど
どんどんどんどん大きく広がって …
いつの間にか僕の見てたねむそうな小舟を
ゆうらゆうらといたずらするように揺らしてた
やがて玩具の船も見えなくなり …
凪の海面( うなも )も背骨をのばして
おおきなあくびをひとつ
乱反射してる星のきらめきの中
ウミネコたちのシルエットが舞いあがる
寒い日はまだまだ続いてゆくけれど
鞆の海があくびしてたから …
光の春はきっと
もうすぐそこまできてるね
んっ?
雁木に腰かけた僕の耳に
ベンチの彼女を乗せた自転車が通ってゆく音
振り向くと@cafe(アカフェ )さんの扉が開き
常夜灯からこぼれた陽ざしを足もとに浮かべた
オーナーの坂谷さんが満面の笑みで …
おはようございます!
おだやかな鞆の朝風が僕のほほを撫でてゆく
さてと
何を食べようか
冬は寒くとても冷たい季節
そんな夜はもっぱら
大好きなSF作家 平井和正さん
哀悼の意を込めて読み直しをしましょう
ほかには …
どれにしようか …
そうして僕は
両親が所蔵する膨大な量の書庫から
何冊かを自室に持ってゆき広げます
どれから読もう …
あっ その前に
先日仕事帰りに本屋さんで見つけたこれを …
先に読んでしまいましょう
春よ はやく こいこい
「 海があくびしてたから 」
~ f i n










