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「時代よついてくるな、って、すごいキャッチですね」
この日はプロモーションでかなりの取材を受けているにもかかわらず、疲れ一つ見せない涼しげな笑顔で媒体資料を見ながら語った彼の第一声だった。
最近、マイ箸に凝っているという事だったので、編集部から持ち運び用の折りたたみのものをプレゼントすると、
「先が木で出来ているのが良いですね、これ重要ですよ。日本食を食べるにはこれじゃないと。僕はギターを沢山使っていっぱいダメにしてきたので、せめて箸ぐらいはと思って(マイ箸)やっているんですけどね。」
彼なりのエコ、である。

「女の子にモテたかったから。。」
まずは音楽を始めたきっかけを、というおざなりの質問をぶつけた時の彼の解答。
「今も半分くらい、そうですけどね」と少しテレ笑いで語る彼の視線は既に媒体資料から離れていた。




- - 今回のニューアルバム「FUNKAHOLiC」は「PARADE」よりさらに明るく?

スガ:そうですね、明るいというよりは肉体的という表現をするんですけど、やろうとしている事がより肉体的に「PARADE」よりうまく出来たかなと。

- 「TIME」の時に一度制作したデータを飛ばしてたいへんだったという事でしたが、今回は大丈夫だったんですか?

スガ:実は「TIME」の時に飛ばしたシステムを「PARADE」でもまだ使っていて(笑)。 ようやく今回から最新のシステムに入れ替えました。

- ニュー・シングルの「コノユビトマレ」ですが、前回のシングル「NOBODY KNOWS」の時に、”公衆トイレの落書きをヒントに作った”という逸話がありましたが、今回は?

スガ:「コノユビトマレ」はアルバムの最後の方に作った曲で、ひと通りファンクな曲もバラードも出来て、あとアルバムで何が足りないかなと思ったら、誰かの背中を押せるようなメッセージソングだったり、もっとハードなカッティングだったり、ちょっとしたディスコ感だったり。。。とにかくやり残した事がいっぱいあったんですね。それを一曲に全部詰め込んでしまえという感じでギューギューに詰め込んで出来たのが「コノユビトマレ」です。

- つまり言い換えればスガさんの今までのシングルの良い所取りでもあると?

スガ:そうですね、すべての良い所取りの曲ですね。

- この曲もそうなんですがスガさんの曲はAメロ、Bメロとファンクやロックの路線で押してサビでいきなりポップになるものが多いと思いますが、これはスガさんの中で曲作りの際に意識的に行っているのでしょうか?

スガ:こんな言い方をすると誤解を受けるかもしれませんが、本当の意味のファンク好きって日本に一万人もいないので、洋楽でファンクが好きっていうマーケットはそんなにあって無いようなものだと思うんですね。そこに向けて音楽をやろうという気は全然無くって、それは何故かというと、僕もそうだったんですけど、そういう人達の音楽というのは人に広げるつもりも何もないんですよね。でも僕は歌詞を書いて歌を歌うという立場的に沢山の人に聞いてもらいたいし、それは一人じゃ無理だし、応援してくれる人達がいるのは嬉しいし。どっちかというと自分のファンクをそういう人達に向けてやりたいし。どファンクを作るのは簡単ですぐに出来るけれども、そういう事はやりたく無いんですね。無理くりファンクとポップスを組み合わせたりとか、ファンクとロックを組み合わせたりとかして、新しさやポップス性を出していくやり方をデビューの時からずっとやっているわけです。だから本当の洋楽好きとか、ポップスを聴かない人達にはものすごく物足りないのはよく解っているし、自分でもリスナーだったら多分物足りないと思うと思いますよね。






- そして今回の「FUNKAHOLiC」ですが、今までのアルバムの中でもピカイチにバランスの良いアルバムに仕上がっていると思います。またタイトルのつけ方が今まで以上にエキサイティングですね。制作中の御自身の状況はどうでしたか?

スガ:とにかく製作期間中絶好調だったので。今までのアルバムの中で一番調子良くって、こういう音を出したいというのが自分の中で明確に解っていたので、逆に楽でしたね。今回は出来てからどうしよう、というのが無かったです。元々制作は遅い方なんですけど、カップリング無しの12曲でいけたというのは初めてだったので。実はもう次のリリースの作品も出来ているんで、とにかくすごく調子が良くって。こんな曲が欲しいなって思うと、すっと手が届くっていう所もあったので、自信を持って冒険が出来たアルバムです。その中でも一曲目の「バナナの国の黄色い戦争」は、日本のファンク史ってものが、まあ、あって無いようなものですけど(笑)、あるとするならば、「あまい果実」「Thank You」に続く三大ファンクと呼べる作品が生まれたなと。この曲を打ち込み無しでやるとなるとかなり特殊なテクニックがいるし、生で中途半端にそれをやるとファンク好きオヤジバンドみたいになるし。だからホントにその人の持っている血でぐわっとグルーヴさせられる人が演奏しないとファンクってものすごくいんちき臭くなるんですよね。そのためにこの人達じゃないとダメという人達のスケジュールを半年待ってようやく完成しました。それも何テイクも重ねずに、2テイク目でOK出しました。この曲が完成して一曲目になった時点でアルバムの勝利は確信出来ていましたね。

- そうすると今回はパズルというよりも入るべき曲が入る曲順に入った感じですか?

スガ:一曲目の「バナナの国の黄色い戦争」と最後の「宇宙」は最初から曲順まで決めていました。「宇宙」は歌詞がここまでたどり着くかどうかが勝負で、曲とオケはもう出来ていたんです。ここの歌詞に落ちれたら勝ちだな、と思ったんですけど、中々字数も少ないし、しばらく怖くて書けなくて(笑)、書きたい事は解っているんだけど、この文字数でハマんなかったらアウト。一行でも多くなると結論がズレちゃう。ぴったりのバランスで書けないとダメだから、いける、と思った時まで書くのを辞めていて、結構待っていたりして。ある時一週間に4本書いていた週があって、その時今なら「宇宙」書けるかもと思って、一気に書けました。

- 「プラネタリウム」は後半の歌詞でちょっとほろっと、来ましたが。。。。

スガ:「プラネタリウム」は僕的には捨て曲だったんです。PCの中に”捨て曲”っていうフォルダがあって、曲に困った時にその中から出して、みたいなメモ帳代わりの場所があって。その中の曲だったんですね。で、ギターの田中義人くんとこんな曲があるんだけど一回アレンジしてみない?って感じではじめたんですけど、やってるうちに「スガさん、これ、めちゃめちゃいい曲ですよ」って言われて(笑)、一応歌詞載せてみようかとなったんですけど、まだ半信半疑で、とりあえず適当に「風俗」なんて歌詞入れちゃおうか、とか。そしたら聴いた人の評判が良すぎて、最初捨て曲だったのがステップアップしてアルバム収録になったわけです。

- そんな名曲目白押しの今回のアルバムなんですが、普段のファン以外で聴いてもらいたい方々はいますか?

スガ:僕はアニメ「xxxHOLiC」シリーズのテーマソングをやらせて頂いているんですけど、やはりあのアニメは十代の子の人気が強くて、その世代の人達に今回のアルバムはあまり敷居を高くしていないので、是非聴いて欲しいなと思いますね。



スガ シカオ流iPodの新しい聞き方?



- iPodは良く利用されているようですが、今何曲ぐらい入っているんですか?

スガ:今6,000曲ぐらい入っていますね。

- なんでもiPodの中にダウンロードして入れて持ち歩く程、稲川淳二さんの怪談のファンだという事ですが。。

スガ:僕、稲川淳二フリークなんですよ。今出ている怪談集を全部iPodに入れています。それで新しい使い方として僕が考案したんですけど(笑)、iPod全体でシャッフルかけると、一週間に一回ぐらいの割合で突然、稲川さん怪談が始まるんですよ。たとえばエレクトロ系の曲が終わった後、ヒュ〜ドロドロドロって(笑)。

- 他にiPodにまつわるエピソードも多いようですね。ライブのMCでも仰っていましたが。。

スガ:「私、スガさんの曲好きなんです」っていう女の子といっしょにご飯食べに行って、その子が席を立った時に机の上にiPodが転がっていたので、立ち上げて中を見たら、僕の曲が一曲も入っていなかったんです(笑)。

- そのiPodには他にどんなアーティストが。。。

スガ:サザンオールスターズ、 スキマスイッチ、 スピッツときて、(自分が)入っていない(笑)。

- スガさんのライブのMCも非常に面白いと評判ですが。。。

スガ:そうですか。面白いっていうか、面白くしようとは思っていないんですけど、結果的に面白くなっちゃうんですよ。

- スガさんは人に楽曲提供もされていますが、今後若手ミュージシャン等をプロデュースしていくとかは考えていらっしゃいますか?

スガ:あんまりそういう依頼が無いんですよ。人気が無いみたいで。僕に詞を書かれてもこまるでしょ、たとえば「Call My Name」みたいな曲が上ってきてもねぇ。

- SMAPに提供された「夜空ノムコウ」の詞はどんな状況で書かれたのですか?

スガ:あれは曲が先にあって、僕もデビューして半年くらいでやり方も解らなくて。しかもしめきりを忘れていて(笑)、マネージャーに言われその日中に書き上げて出したら、「これよさそうなんだけど、譜割がわかんないから歌って」って言われて。歌いに行ったら、なんか外で大騒ぎになっていて。「君、凄いね!」とか言われて(笑)。

- 次回作も含めて、スガさんの今後をお聞かせください。

スガ:次回作はもうある程度出来ていて、最近バラードをシングルでやっていなかったので、きっちりラブソングをやりたくて。オヤジファンクファンには残念な曲が続くと思いますけど。

- 最後に「猛烈」の読者にメッセージを。

スガ:大人になるとどんどん音楽を聴かなくなるし、面倒くさくなって新しいものとかを受け入れなくなってくるんですよね。凄くもったいない気がするんですよ。でもこの間ロンドンに行ったんですけど、ロンドンはやっぱりカッコよくって、ピンクフロイドのライブとかにオヤジたちが前でガンガンにノッテるんですよ。あと新しいシンガーソングライターのライブにも音楽通のオジサン、オバサンがいっぱい来ていて盛り上がっているんですよ。僕なんかも新しもの好きで、女好きで(笑)常に活性化していますから。ある意味ぎらぎら感というかそういうものをもっと持った方が良いと思うんですよ。そのきっかけに僕のアルバムがなればいいなと思います。http://www.mohretsu.com/special/07/index.html