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いわゆる負け組女子のフリーライター、高原。
左遷され、先のない元有名週刊誌で記者をしていた大手出版社編集者、塩谷。
この2人がオーナーとなっているホストクラブ「インディゴ」のホスト達。
ストーリーは、高原を中心に展開するが、
事件のカギは、いつも、
なぜか、彼女が「気になる」こと、塩谷いわく「妄想」だ。
たとえば、話した相手のふとした表情、
封筒に入っていた切り抜かれた記事など。
高原のキャラも個性的だが、その陰となっている
インディゴを仕切る憂夜の存在が、このシリーズを支えている。
憂夜は、決して表面に出てくることはない。
しかし、彼が高原と塩谷をコントロールしているのではないかと
思えるような謎も持っているところがいい。
ちなみに、塩谷のことを、高原は「おっさん」と言っているが、
たぶん30代後半なのだろうなと思わせる。
ただし、最後の「真夜中のダーリン」あたりになると、
事件の導入、展開、結末がかなり強引になってきていて
シリーズの破たんを予感させないでもない。
今日は、畠中恵の「アイスクリン強し」。
畠中恵といえば、しゃばけシリーズが有名だが、
実は、このシリーズは読んだことがない。
彼女の作品で、これまで読んだことがあるのは、
「アコギなのかリッパなのか」という現代ものだ。
こちらは、政治家秘書が主人公なのだが、
政争のドロドロなどは一切なかったように思う。
さて、「アイスクリン強し」だ。
このお話の舞台は、明治23年。
西洋菓子屋を始めようとする主人公と、その幼友達で、
生活のために巡査になった旧幕臣の若様とが、
持ち込まれた、あるいは巻き込まれた問題を解決するというものだ。
謎そのものは、それほど凝ったものではない。
主人公にしても、ぼーとした感じで、
決して「名探偵」じゃない。
でも、とにかく、登場人物がいい。
主人公も、若様も、女友達の女学生も、
みな、生き生きと、生きている。
明治という急激な変化の中にあるからこそ生まれる
彼らのエネルギーを感じられるのだ。
