先日、2階の「スタジオ1951」で50人を超えるパーティーがございました。
主催者の方が早めにお出でになり、机や椅子の配置など、最終確認をなさいました。
その際、奥の壁際に置いてある前衛陶芸作品に目を止められました。
2年前行われた「I氏の肖像」という作品展に展示してあったものです。

2年前のその日、作品が運ばれ、作者はそれぞれを相応しい場所に展示されました。
あるべき位置に落ち着いた作品を見ながら「欲しいと言われる方がおいでの場合は?」の問いに、作者は「相談に応じます」とのお答えでした。
作品の中に「スタジオ1951」にスッと馴染んだものがあります。
割れたガラスの上に立つ紐靴を履いた足です。
左足は靴が壊れてしまったのか、足の指が見えています。
不思議に部屋に合い、部屋を進歩的に見せてくれます。
また、胸像なのか中が少し透けて見える胸から首の作品が妙に気になりました。
それが気になったのは、中にある赤い電灯が点滅するからです。
それはまるで坊やの心臓の心拍の様に規則正しく点滅します。
この点滅が続く限り、坊やの心臓は動き続けるのではないかしら、と確信に近い思いが生まれて参りました。
そして、売れずにあったならどちらかを買おうと心に決めていたのです。
最終日、作者にその旨を話し値段を聞いてみますと、けんもほろろに「売りません」との返答。
少々途方に暮れながら、売らないと言われると一層欲しくなるもので、時間をかけて交渉をしてみよう、とその時に思ったのでした。
翌日、片づけを終えた作者から会場の確認をして欲しいと言われ2階に上ると、綺麗に片付いた会場の奥にあの2点が置いてあるではありませんか。
「え? 売っていただけるんですか」と尋ねますと
「いえ、差し上げます」との答え。
それ以来、その2つの作品は「スタジオ1951」のグレードをぐんと上げてくれております。

パーティー主催者のお陰で、2年前のあの暖かい思いが甦ってまいりました。