西脇享輔弁護士(元テレビ朝日法務部長)が、松本VS文春の裁判について徹底分析したという記事がありました。
この記事で紹介された裁判記録から、僕が感じたことを述べます。
まず、松本側が 訴状 に添付した証拠書類は、週間文春、文春電子版、文春オンラインに掲載された記事の写し計3通だけだったようです。
なんというか...橋下徹(原告)VS大石晃子(被告)の訴訟の時と同じ感じですね。
弁護士に依頼したら、名誉毀損した事実に関する証拠しか提出しないのでしょうか?
松本事件も、橋下事件も、不法行為(名誉毀損)による損害賠償(民法709条)を求めているのでしょ?
それならば、名誉がどれくらい毀損されたのか、損額額の算定根拠に関する証拠も提出するのが、ごくごく当たり前のことだと思うのですが...。
車をぶつけられた時って、証拠書類で、ぶつけられた箇所の写真を提出すれば、どのような事件かイメージしやすいでしょ?
では、名誉毀損は?
僕は、ハッキリいって、さっぱり分かりません。
そもそも、「名誉」ってことばは、ほまれあること、よい評判を得ることなどの意味があります。
たとえば、ノーベル賞を受賞したとか、上方お笑い大賞を受賞したとか...。
裁判官は、訴状などに「松本人志」や「橋下徹」の名前の記載だけで、いったいどのような名誉があると判断すればいいのでしょうか?
裁判官は、裁判所に提出された書類だけで、判決を下すのです。
僕なら、「レギュラー番組を数本持ってる。」とか「テレビ局から出演を見合されてる。」などの書類を入手して、証拠として提出します。
名誉なんて目に見えないので、いかに、可視化するかが弁護士の仕事ではないでしょうか?
弁護士なら知ってて、当然のことだと思うのだけど。
また、裁判記録には、「暴露系配信者」の投稿を、裁判所に提出したとか...。
なんというかねぇ...ふぅ...。
損害賠償として5億5千万円にしたのも、もしかしたら着手金目当てか?と疑いたくなるような展開のように思えます。
どういうことかと説明すると、ネットの情報なんて、真偽不明でしょ?
「暴露系配信者」の投稿を裁判所に提出するなんて発想、素人なんですよね。
これらのことから想像すると、松本氏が、弁護士に伝え、そのまま裁判所に提出した...という流れなのです。
つまり、松本氏の言い分を裁判所に伝えていれば、松本氏は、一応、満足するわけじゃないですか?
松本氏は、裁判に関する知識なんて、チンプンカンでしょ?
なら、最初に、「この手の裁判は、なかなか認めてもらえませんよ?」と伝え、あとは、依頼者が満足する対応だけしてればいいんですよ...弁護士って。
訴額5億5千万円でしょ?
着手金が1割だったとしたら、5000万円です。
勝とうが負けようが、弁護士の手に、着手金が入るのです。
なんというか、報酬に見合う仕事して欲しいですよね。
...。
「暴露系配信者」が投稿した A子、B子 を特定する内容の投稿だったということですので、僕が松本氏の弁護士なら、A子、B子に、内容証明郵便を送りますね。
内容証明郵便には、「事実である場合や、回答がない場合には、被告として訴える。」旨だけでなく、事実でない場合には、その旨を書面にして回答してもらうような内容の文面にします。証拠作りです。
とにかく、裁判記録を実際に見ていないので正確なことは分かりませんが、現時点では、雑すぎですね。