この記事を書いたのは、中央大学の酒井克彦教授です。
僕は、この教授は、「御用学者だ!」と評価したのは、長崎年金二重課税事件の控訴審での出来事です。
この長崎年金二重課税事件を、ごく簡単に説明すると、死亡した者の年金を遺族が受け取ったことについて、相続税を課税した後に、さらに、所得税も課税するという事件です。
第1審は、納税者が勝訴しました。
控訴審で、国側は、この酒井氏の鑑定書を提出し、納税者が敗訴となりました。
※酒井氏は、当時、国士館大学の教授でした。
で、最高裁(平成22年7月6日判決)で、納税者が勝訴しました。
この最高裁判例について、法律を勉強している税理士達の評価は、「当たり前!」という容易なものでした。
さて、今回の新聞記事の内容は、消費税のインボイス制度に関するものです。
何のこっちゃ?と思われるかも知れませんが、消費税に関することなので、知っておいた方が良いかと思いますので、ブログに綴っておきます。
太字で書かれている「課税の公平性・適正性に寄与」との文字から、インボイス制度について賛成の立場ということが伺えます。
つまり、権力者側である 国 の視点から述べています。
で、注目すべき文言は、↑の記事のほぼど真ん中あたりに、「免税事業者の益税問題」について触れています。
この「免税事業者の益税問題」は、しばし耳にしますが、税理士業界では、「そもそも、益税と考えるのがおかしいじゃないか!」と、気づき始めています。僕から言えば、「当たり前!」の話ですが。
なのに、中央大学の酒井教授は、今もなお、「免税事業者の益税問題」を口にしていることには、失望しかありません。
ここで、確認しておきたい条文は、消費税法4条(課税の対象)です。
(課税の対象)
第四条 国内において事業者が行つた資産の譲渡等(特定資産の譲渡等に該当するものを除く。第三項において同じ。)及び特定仕入れ(事業として他の者から受けた特定資産の譲渡等をいう。以下この章において同じ。)には、この法律により、消費税を課する。
この条文、ごくごく簡単に説明すると、事業者 が 資産の譲渡 をした場合に、消費税を課税する 旨が規定されています。
(用語の解説)
譲渡 → 譲り渡し → 売る
譲受 → 譲り受け → 買う
つまり、わが国の消費税法は、事業者の売る行為に対して課税するのであって、消費者の買う行為に対して課税しているものではありません。
えっ!?...と思いませんか?
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この請求明細は、「消費税等」と記載せず、「消費税等相当額」と記載して請求しています。このような記載方法を採用しているのは、法律を正しく理解しているからだと思います。
商品を買ったり、食事したりして、代金を支払う際、「消費税」も支払っているように思っているかもしれませんが、正しくは、「消費税等相当額」を支払っているにすぎないのです。
...。
なんというか、この案件、本来なら 東京大学名誉教授 である 中里実 氏が書くべき内容かと思うのだが、さすがに分が悪い案件だと感じ、断ったのかなぁ...とさえ感じています。
僕が伝えたいのは、 中央大学法学部を 法科の中央 と位置付けするなら、酒井教授が、本当に適任なのか?という点です。
「實地應用ノ素ヲ養フ」
大丈夫なの?
ホントに中央大学で学べるのかな?
さて、...と。
この書籍も、紹介しておくか!
租税法の神様と呼ばれていた方です。
もうお亡くなりになられましたが...。
消費税法4条を理解して、この本を読むと面白いですよ♪