一昨日、あの森友学園への国有地売却をめぐり、当時、理財局長であった佐川氏に対して損害賠償を求めた訴訟で、裁判長は、妻側から申請された佐川氏への本人尋問を実施しないことを決め、「採用しなくても判断は可能で、不必要だ。」と述べたようだ。
この報道を知り、僕は、国家賠償法第1条を確認した。
国家賠償法第1条
国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
② 前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。
この事件の事実って、
・佐川氏は、国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員である。
・赤木氏への改ざん指示は、職務上のものである。
・意図したものか、ついうっかりかは知らんが、佐川氏は、赤木氏に対し、精神的苦痛を与えた。
でしょ?
尋問したところで、この事実は覆らないでしょ?
なので、尋問の必要はないとした裁判官の判断は、正しいと思います。
また、判決も敗訴で決まりだと思います。
と言うのも、上記の事実って、国家賠償法第1条1項の 法律要件 をすべて満たすので、訴えるなら、佐川氏個人ではなく、国または公共団体を相手にしなればいけない。
今回の件で、佐川氏に故意または重大な過失があったとしても、佐川氏に損害賠償請求できるのは、国か公共団体に限られる。
なので、敗訴。
佐川氏側からは、職務中の不法行為は公務員個人が賠償責任を負わないとする最高裁の判例を挙げているようだが、そんなもの確認しなくても、僕の説明で十分理解できるかと思う。
もし、僕のお客様が、このような裁判をするなんて言い出したら、やめるように説得を試みる。
だって、勝訴の見込みが、ない...と言ってもいいレベルの事件だと思うので。
この弁護士は、どうだったのだろ?